脊椎亜脱臼
概要
不適切な保定により椎体が部分的に変位し、脊髄圧迫を引き起こす状態です。
主な症状
原因
神経系組織への物理的外傷が原因。転落・ケージ損傷・取扱い事故・同居個体や捕食者からの咬傷・環境危険物が一般的原因。ウサギの解剖学的特性が特定の損傷タイプへの素因となりうる。二次合併症として感染・治癒遅延・慢性疼痛がある。
病態生理
ウサギの神経系組織への外傷性損傷は、挫傷・裂傷・骨折を含む直接的な機械的組織損傷を引き起こす。急性炎症反応により浮腫・出血・疼痛が生じる。二次合併症として細菌汚染・感染・治癒遅延がある。ウサギでは損傷からのストレスが追加の全身合併症を引き起こしうる。
治療
ウサギにおける脊椎亜脱臼の治療: 【最多原因は不適切な保定—強力な後肢と脆弱な腰椎(L7が最脆弱)】1. 即時の厳格なケージレスト(パッド付き、最低4-6週間)。2. 鎮痛: メロキシカム0.3-0.6mg/kg PO/SC q24h + ガバペンチン5-10mg/kg PO q12h(神経障害性疼痛)。3. 急性期(8時間以内): メチルプレドニゾロンコハク酸Na 30mg/kg IV(議論あり、ウサギでのエビデンスは限定的)。4. 膀胱管理: 尿閉がある場合はq8-12hで用手圧迫排尿—溢流性尿失禁と尿やけの監視。5. GIうっ滞予防(重要): メトクロプラミド0.5-1.0mg/kg SC q8h、チモシー干し草と強制給餌。6. 褥瘡予防: 4時間毎の体位変換、フリース等のパッド付き寝具。7. リハビリ: 受動的関節可動域訓練、安定後は水中療法。8. 外科的減圧(片側椎弓切除/椎体固定)は画像で圧迫性病変が確認され麻酔に耐えられる場合のみ。9. 深部痛覚検査: 後肢で48時間以上消失している場合は回復予後不良—QOLの相談。多くのウサギは適切な看護で対麻痺に適応(車椅子カート、失禁管理)。参考: Harcourt-Brown (2002); Varga (2014); Keeble & Meredith (2009)。 [ECVN:Block] 【補助療法オプション — Equine & Canine Vet Nutrition (caninevet.jp)】 • MSM+アミノコンプリート (MSM+必須アミノ酸(BCAA中心)): 組織修復・筋肉維持・肝腎栄養サポート • Relax & CBD (フルスペクトラムCBD): 慢性疼痛・不安・難治性てんかん・緩和ケア ※MSM+アミノコンプリート: 重度肝・腎不全は蛋白負荷に留意 ※Relax & CBD: 肝代謝(CYP450)薬物相互作用に注意
予防
予防には適切な飼育管理(適切な食事・清潔な環境・最適な温湿度);定期的な獣医師の健康診断;新規動物の検疫;ストレス軽減;種特異的予防措置が含まれる
予後
外傷の予後は損傷の重症度と合併症の有無に依存する。軽度外傷は適切な創傷管理で予後良好。重度外傷、多発骨折、脊髄損傷は予後慎重〜不良。早期治療と適切な疼痛管理が回復を促進する。
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