子宮内膜過形成
概要
子宮内膜の増殖性肥厚で、未避妊メスウサギの子宮腺癌の前駆病変となることが多いです。
主な症状
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臨床徴候
ウサギにおける子宮内膜過形成の臨床徴候は生殖器病態により異なる。子宮蓋膿症: 多飲多尿・嘔吐・元気消失・腹部膨満・陰部分泌物(開放型)または無症候進行(閉鎖型)。乳腺炎: 乳房腫脹・疼痛・発熱・乳汁異常。前立腺疾患: 排尿困難・血尿・排便困難・後肢跛行。難産: 分娩遷延・努責持続・分娩間隔異常・母体ぐったり。妊娠中毒症: 終末期妊娠の元気消失・食欲不振・神経症状。
原因
ウサギにおける子宮内膜過形成の原因: ホルモンバランス異常、感染性病原体、難産、栄養欠乏、加齢、遺伝的要因による生殖器病理。不適切な繁殖管理がリスクを高める。
病態生理
子宮内膜過形成はウサギにおける生殖器疾患である。ホルモンバランスの異常、構造異常、または生殖器への感染過程を伴う。性ホルモンの調節障害は生殖器官の嚢胞性変化、過形成、または腫瘍形成を引き起こしうる。産科的合併症は機械的閉塞や代謝異常を引き起こし、母体と産子の両方を脅かす。生殖器の二次細菌感染は全身性敗血症に進行しうる。
診断
腹部超音波で子宮壁の不均一な肥厚・嚢胞性変化を描出。子宮径>10 mmで異常。X線で子宮のソフトティッシュ陰影拡大を確認。CBC・生化学でPCV(正常33-45%)・TP(正常5.4-8.3 g/dL)を評価し貧血の有無を確認。血尿がある場合は尿検査で腎性血尿との鑑別(尿沈渣で赤血球形態評価)。未避妊雌ウサギの3歳以上で発生率が急増(4歳以上で60%以上)。確定診断は卵巣子宮摘出術後の病理組織検査。
治療
卵巣子宮全摘出術(OHE)が根治療法として強く推奨 — 子宮内膜過形成は前悪性病変であり未避妊3歳以上で50-80%が子宮腺癌に進行。術前: PCV/総蛋白(慢性膣出血による貧血評価)、胸部X線(腺癌疑い時の転移除外)、腹部超音波(子宮壁厚、嚢胞変化、腫瘤)。麻酔: デクスメデトミジン5-10 μg/kg IM+ブプレノルフィン0.03-0.05 mg/kg IM前投薬。イソフルラン1.5-3%。ブピバカイン局所浸潤1-2 mg/kg。約30%にアトロピナーゼ — 徐脈時はグリコピロレート0.01-0.02 mg/kg SC。手術: 腹部正中切開、両子宮角慎重外転、卵巣+子宮体+子宮頸管断端の完全摘出。全組織を病理組織検査に提出(過形成vs早期腺癌の確認が重要)。術後: メロキシカム0.3-0.6 mg/kg PO/SC q24h×7-10日。ブプレノルフィン0.01-0.05 mg/kg SC q6-8h×48-72h。エンロフロキサシン10 mg/kg PO q12h×7-10日。消化管うっ滞予防: 術直後からチモシー牧草(ウサギの絶食は厳禁)、食欲低下時メトクロプラミド0.5-1.0 mg/kg SC q8h、食欲不振時はCritical Care 50-80 mL/kg/day。内科管理(手術拒否/禁忌時): デスロレリン4.7 mg SC — 卵巣機能を4-12ヶ月抑制するが既存病変の逆転・悪性化予防はできない。手術の代替にはならない。経口ペニシリン系は絶対禁忌。参考文献: Bertram et al. (2018); Harcourt-Brown (2002); Varga (2014).
予防
子宮内膜過形成の予防: 定期的な健康診断。適切な栄養管理。ストレスの軽減。清潔な飼育環境の維持。異常の早期発見・早期受診。
予後
子宮内膜過形成の予後: 早期発見と適切な治療で多くの疾患は予後良好。慢性疾患は定期的モニタリングと治療調整で長期管理可能。
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