耳疥癬(プソロプテス・重度)
概要
プソロプテス・クニクリの重度感染で外耳道全体に痂皮が充満し、二次的細菌感染や中耳炎を併発します。
主な症状
原因
寄生虫(線虫・条虫・吸虫・原虫・外部寄生虫)の感染が直接的な原因である。感染経路には経口摂取、経皮侵入、節足動物媒介、中間宿主の捕食など極めて多様な様式がある。過密飼育、衛生管理不良、免疫抑制、定期的予防投薬の未実施が感染リスクを上昇させる。宿主の免疫状態と寄生虫負荷量が臨床症状の発現と重症度を決定する。
病態生理
寄生虫は宿主組織に物理的損傷を与え、栄養を奪取し、免疫応答を修飾する。消化管寄生虫は粘膜損傷・吸血・栄養吸収障害を引き起こす。組織移行期の幼虫は機械的組織破壊と好酸球性炎症を惹起する。寄生虫の分泌排泄産物は宿主免疫をTh2応答に偏向させ、Treg誘導により免疫回避を達成する。大量寄生では貧血・低蛋白血症・腸閉塞などの重篤な合併症が生じる。
治療
ウサギにおける重度耳疥癬(プソロプテス・クニクリ)の治療: 抗寄生虫薬: イベルメクチン0.2-0.4mg/kg SC、14日間隔で3回投与(成虫を殺すが卵には効かない—反復投与が必要)。代替: セラメクチン6-18mg/kg外用。フィプロニル(ウサギに致死的)およびペルメトリン(有毒)は絶対禁忌。痂皮を無理に除去しない—極めて疼痛を伴い組織損傷を起こす。ダニ死滅後に自然に剥離(通常2-3週)。鎮痛: メロキシカム0.3-0.6mg/kg PO q24h + ブプレノルフィン0.01-0.05mg/kg SC q6-8h(重症例)。二次性細菌感染: エンロフロキサシン10-20mg/kg PO q12hまたはTMS 30mg/kg PO q12h(経口βラクタム禁忌)。中耳炎併発時: 頭蓋X線/CT、長期全身抗菌薬(4-8週)。接触ウサギ全頭を同時治療。環境消毒(ダニは宿主外で最大3週間生存)。内耳炎への進展(前庭症状)を監視。参考: Harcourt-Brown (2002); Varga (2014)。
予防
定期的な予防的駆虫プログラムの実施が最も効果的な予防策である。フィラリア予防薬の通年または季節的投与、ノミ・マダニ予防薬の定期使用、環境中の糞便の速やかな除去、中間宿主との接触制限が重要である。新規導入動物の糞便検査と駆虫処理、飼育環境の衛生管理、過密飼育の回避により寄生虫感染リスクを大幅に低減できる。
予後
疾患の重症度、治療開始の早さ、治療反応により異なる。早期の適切な治療介入で一般に予後改善。
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