心室性期外収縮
概要
心室から発生する異常な心拍です。
主な症状
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臨床徴候
犬における心室性期外収縮の臨床徴候は心機能低下の程度により段階的に進行する。代償期(無症候): 心雑音が唯一の所見、聴診で発見される。早期心不全: 運動不耐性・咳(左心不全)・腹水(右心不全)。進行性心不全: 呼吸困難・チアノーゼ・失神・夜間咳。末期: 起座呼吸・肺水腫・心原性ショック。猫では FATE(大動脈血栓塞栓症)として急性後肢麻痺・冷感・疼痛・パルス消失で発症することがある。
原因
脾臓血管肉腫、DCM(ドーベルマン・ボクサーARVC)、GDV後の再灌流障害、心筋炎、電解質異常(高K血症)。外傷後24〜72時間にも発生。
病態生理
心室の異所性興奮→VPC。散発的は臨床的に無症状のことが多い。頻発(>50/日)・多源性・R-on-T現象→心室頻拍→心室細動→突然死のリスク。基礎疾患の検索が重要。
診断
心電図でワイドQRS群(>0.06秒)の期外収縮を確認。形態・頻度・R on T現象を評価。ホルター心電図で24時間のVPC頻度を定量化(>1,000/日は有意、連発/多形性は高リスク)。心エコーで基礎心疾患(DCM、SAS、心筋炎、腫瘍)を評価。トロポニンI測定。電解質(K⁺、Mg²⁺)、甲状腺機能を確認。ボクサー(ARVC)、ドーベルマン(DCM)に好発。ソタロール/メキシレチンが治療。
治療
無症状で単発性VPCは治療不要(モニタリングのみ)。治療適応:R-on-T現象、多形性VPC、VT(>30秒)、血行動態に影響する症状(失神、虚脱)。リドカイン(2 mg/kg IV bolus→25-80 μg/kg/min CRI)急性管理。ソタロール(2 mg/kg PO q12h)は慢性管理の第一選択。メキシレチン(5-8 mg/kg PO q8h)併用で追加効果。アミオダロン(10 mg/kg PO q12h loading×7日→5 mg/kg maintenance)は最終手段。ホルター心電図で24h不整脈負荷評価。好発:ドーベルマン(DCM関連)、ボクサー(ARVC)。
予防
基礎疾患の管理。好発犬種のホルターモニタリング。VPC>50/日でソタロール/メキシレチンを検討。
予後
犬における心室性期外収縮の予後は基礎心疾患の種類と心不全の進行度により異なる。早期診断と病態に応じた適切な治療・モニタリングにより多くの症例で良好な経過が期待できるが、進行例・合併症を伴う例では予後が悪化しうる。
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