脂漏症
概要
皮膚の過剰な落屑と脂っぽさで、原発性(遺伝性)または続発性があります。
主な症状
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臨床徴候
犬における脂漏症の臨床徴候は感染部位と病原体特性により多様だが、共通所見として発熱・元気消失・食欲不振・体重減少が認められる。局所感染では発赤・腫脹・疼痛・排膿を、全身感染では脱水・敗血症・多臓器不全に進展しうる。幼若・高齢・免疫抑制状態は重症化リスクが高く、早期介入が予後改善に直結する。
原因
犬における脂漏症の原因は特定の細菌病原体の感染である。病原性細菌が体内に侵入(経口・経皮・経気道・媒介動物)し、増殖・毒素産生・組織浸潤により疾患を引き起こす。宿主免疫抑制(ストレス・栄養不良・併発疾患)、抗菌薬の不適切使用による菌叢異常、汚染環境への持続的曝露、咬傷・外傷からの侵入が主要リスク。近年の薬剤耐性菌(MRSP・ESBL産生菌)の出現が治療上の課題となっている。
病態生理
犬の脂漏症は臨床的に重要な疾患で、病原体(細菌・ウイルス・真菌・原虫)の感染が直接的な原因であり、宿主の免疫力低下、過密飼育、不衛生な環境、慢性的ストレス、栄養不良、併発疾患が感染リスクを著しく増大させる。病原体の毒力と宿主の免疫応答。病態の進行は原因と宿主の免疫状態に依存する。早期発見・早期治療が予後改善の鍵。
診断
鱗屑(乾性: seborrhea sicca / 油性: seborrhea oleosa)、脂漏臭、被毛質低下。全身性分布: 背部、腋窩、鼠径、耳。皮膚細胞診でMalassezia/球菌の二次感染評価。皮膚生検: 表面性不全角化、表皮肥厚(原発性脂漏症の確認)。基礎疾患の徹底検索: 甲状腺機能低下(T4/TSH)、Cushing(LDDS/ACTH刺激)、アトピー性皮膚炎(アレルギー検査)、食物アレルギー(除去食試験)。原発性: アメリカンコッカースパニエル、イングリッシュスプリンガースパニエル。
治療
一次性脂漏症(遺伝性)と二次性脂漏症(基礎疾患に続発)を鑑別。基礎疾患の治療が最重要:甲状腺機能低下症、アレルギー、副腎皮質機能亢進症。乾性脂漏(seborrhea sicca):保湿シャンプー(オートミール系)、オメガ3/6脂肪酸(EPA/DHA 40-50 mg/kg/日)、フィトスフィンゴシン含有スプレー。脂性脂漏(seborrhea oleosa):脱脂シャンプー(過酸化ベンゾイル2.5-3%、硫黄-サリチル酸)週1-2回。角質溶解シャンプー(サリチル酸2%)。二次感染:マラセチア(ミコナゾール2%シャンプー)、細菌性(クロルヘキシジン3-4%シャンプー)。ビタミンA(10,000 IU PO q24h)レチノイド反応性脂漏症に。好発犬種:コッカースパニエル(一次性)、バセットハウンド、ウェスティ。参考文献: Rosser EJ. Vet Clin North Am 1999; Carlotti DN et al. Vet Dermatol 2004.
予防
犬における脂漏症の予防は適切なワクチネーションプログラムの実施が中核である(利用可能な場合)。衛生的飼育環境の維持、新規導入動物の検疫期間設定(最低14日、感染症によっては60日以上)、過密飼育の回避、適切な栄養管理による免疫力維持、ストレス軽減が重要。感染動物との接触回避、汚染器具・環境の消毒(次亜塩素酸・アルコール系・第四級アンモニウム製剤を病原体に応じて選択)を徹底する。定期的健康診断による早期発見と治療が蔓延防止に寄与する。
予後
犬における脂漏症の予後は病原体の毒力・宿主免疫状態・治療開始時期・基礎疾患の有無により大きく異なる。早期診断と適切な抗病原体療法・支持療法により多くの感染症は良好な予後となる。宿主の免疫抑制・若齢・高齢・多臓器不全併発例は予後不良となりうる。再発・慢性化・薬剤耐性発現も予後に影響する重要因子である。
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