亜鉛反応性皮膚症
概要
亜鉛欠乏または吸収障害による皮膚疾患で、ハスキーやマラミュートに多いです。
主な症状
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臨床徴候
犬における亜鉛反応性皮膚症の臨床徴候は原因と病期により異なる。急性: 紅斑・水疱・湿潤性病変・激しい掻痒・脱毛(接触性皮膚炎・蕁麻疹)。慢性: 苔癬化・色素沈着・脱毛・落屑・痂皮(アトピー性皮膚炎・慢性膿皮症)。分布パターンが診断に有用: 顔面・指趾(アトピー)、耳・腹側(蚤アレルギー)、対称性脱毛(内分泌性)、円形病変(皮膚糸状菌・毛包虫)。
原因
犬の亜鉛欠乏症は、亜鉛の乏しい食餌、フィチン酸/過剰なCaによる吸収阻害、または遺伝的な亜鉛吸収障害(特定犬種)による。
病態生理
亜鉛は多くの酵素・上皮の分化・免疫に必須で、欠乏により角化異常(口周・関節・肉球の痂皮性皮膚炎)・創傷治癒遅延・免疫低下・成長不良を生じる。
診断
Syndrome I(北方犬種: ハスキー、マラミュート): 眼囲/口囲/耳介/肉球の痂皮性皮膚炎。Syndrome II(急速成長大型犬): フィチン酸(穀物ベース食)によるZn吸収阻害。皮膚生検: 著明な表面性不全角化(parakeratosis)が診断的。血清亜鉛濃度測定(<70μg/dLで低値)。食餌歴の詳細聴取。Zn補充試験への反応(2-6週で改善)が診断的治療。鑑別: 表在性膿皮症、天疱瘡、皮膚糸状菌症。
治療
Syndrome I(ハスキー・マラミュート — 遺伝的Zn吸収障害):硫酸亜鉛 10 mg/kg/日 PO(食事と別に)またはグルコン酸亜鉛、生涯投与。重症例は一時的に硫酸亜鉛 IV投与。Syndrome II(成長期の大型犬 — 食事性Zn不足/フィチン酸過剰):亜鉛補充+食事改善で治癒。嘔吐は分割投与で軽減。外用:クルスト除去後にステロイド軟膏。二次感染には抗菌薬。
予防
犬における亜鉛反応性皮膚症の予防はアレルゲン管理と環境衛生が中心。蚤アレルギー: 年間を通じた蚤予防薬。アトピー性皮膚炎: 環境アレルゲン低減(フィルター・寝具洗濯)、皮膚バリア機能維持(オメガ3補給)。細菌性皮膚感染: 基礎皮膚疾患の管理、適切な被毛グルーミング、湿潤環境回避。皮膚糸状菌症: 感染動物隔離、環境消毒。耳のケアと定期的耳洗浄による外耳炎予防。
予後
犬における亜鉛反応性皮膚症の予後は原因(アレルギー性・感染性・自己免疫性)と慢性度により異なる。早期診断と病態に応じた適切な治療・モニタリングにより多くの症例で良好な経過が期待できるが、進行例・合併症を伴う例では予後が悪化しうる。
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