プードル脂腺炎
概要
犬種素因のある脂腺の免疫介在性破壊で、鱗屑と脱毛を引き起こします。
主な症状
原因
免疫寛容の破綻により自己抗原に対する異常な免疫応答が惹起され、自己抗体や自己反応性T細胞が正常な組織を攻撃し破壊する。遺伝的素因、感染症による分子擬態、薬物投与、紫外線曝露、ホルモン変動が主要な誘因となる。MHC遺伝子多型が疾患感受性に強く関与し、特定の品種や雌性個体に好発する傾向が顕著に認められる。
病態生理
免疫寛容の破綻により自己反応性リンパ球が活性化し、正常組織を攻撃する。II型過敏反応では自己抗体が細胞表面抗原に結合し補体依存性溶解やADCCを惹起する。III型では免疫複合体が血管壁や組織に沈着し炎症を誘導する。IV型ではCD4+/CD8+ T細胞が直接的な組織破壊を引き起こす。��性炎症によるエピトープスプレッディングが標的臓器の拡大と疾患の進行を促進する。
治療
脂腺の肉芽腫性破壊 → 皮脂欠乏 → 脱毛/鱗屑。常染色体劣性(スタンダードプードル)。免疫抑制療法: シクロスポリン5 mg/kg PO q24h(第一選択 — 最もエビデンス豊富)。 — 4-8週間で効果判定。長期投与。食前1時間(脂肪食で吸収変動)。 副作用: 歯肉増殖、消化器症状、感染感受性増大。補助療法(全症例で推奨): スキンケアプロトコル: 鉱物油/プロピレングリコール(50:50)の浸漬 → 2-4時間 → 薬用シャンプー。 週1-2回。鱗屑/毛包の角栓除去。 ビタミンA: レチノイド(イソトレチノイン1-2 mg/kg PO q24h)— 脂腺機能補助。 EPA/DHA: 皮膚バリア機能改善。代替免疫調節薬: ミコフェノール酸モフェチル20-40 mg/kg PO q12h。 プレドニゾロン(効果限定的 — 単独ではあまり有効でない)。診断: 皮膚パンチ生検(6mm)— 脂腺周囲の肉芽腫性炎症。 脂腺の消失(進行例)。好発: スタンダードプードル(最多)、秋田犬、ハンガリアンビズラ。 秋田犬のSAは重症型が多い(予後不良)。予後: プードルは管理可能(長期的スキンケア必須)。秋田犬は治療抵抗性が多い。 [ECVN:Block] 【補助療法オプション — Equine & Canine Vet Nutrition (caninevet.jp)】 • For Antioxidant (アスタキサンチン+SOD+VitE+システイン): 抗酸化・慢性疾患免疫サポート
予防
遺伝的素因を持つ品種では繁殖前スクリーニングが推奨される。確実な一次予防法は確立されていないが、不必要な薬物投与の回避、過度の紫外線曝露回避、適切なワクチネーション間隔の遵守、ストレス軽減が発症リスクの低減に寄与する可能性がある。早期発見のための定期的な血液検査と臨床モニタリングが重篤な臓器障害の予防に重要である。
予後
予後は罹患臓器、疾患の重症度、治療への反応性により異なる。多くの自己免疫疾患は免疫抑制療法により寛解導入が可能であるが、完治は稀であり生涯にわたる管理が必要となることが多い。再燃のリスクは常に存在し、薬物の漸減過程で注意深いモニタリングが不可欠である。早期の積極的治療介入が臓器障害の不可逆的進行を防止する。
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