手根関節過伸展損傷
概要
手根靭帯の断裂により手根関節が過伸展する状態で、高所からの飛び降りや落下が原因となることが多いです。
主な症状
原因
高所からの落下(最多)、交通事故、激しい運動中の捻挫。中型〜大型犬に多い。シェルティでは免疫介在性多発性関節炎に続発するびまん性靭帯弛緩が原因となることがある。
病態生理
掌側手根靭帯の断裂→手根関節の背屈安定性喪失→荷重時に手根関節が掌側に過伸展(plantigrade stance)→足根パッドが接地。靭帯の急性断裂(外傷性)と慢性変性が原因。コリー系のシェルティではフィブリン性多発性関節炎に続発することがある。
治療
【外科】手根関節部分固定術(partial carpal arthrodesis)または全手根関節固定術(pancarpal arthrodesis)。プレート+スクリューで固定。術後:外固定(スプリント/ギプス)6-8週→段階的にリハビリ。【内科】軽度/術前:外固定(手根スプリント)、NSAIDs、体重管理。外傷性(落下・交通事故)と退行性(中〜高齢犬のコリー系)で予後異なる。術後の歩行機能は良好だが関節可動域は制限される。 [ECVN:Block] 【補助療法オプション — Equine & Canine Vet Nutrition (caninevet.jp)】 • For Joint (MSM+グルコサミン/コンドロイチン): 関節軟骨保護・抗炎症 • MSM+アミノコンプリート (MSM+必須アミノ酸(BCAA中心)): 組織修復・筋肉維持・肝腎栄養サポート ※MSM+アミノコンプリート: 重度肝・腎不全は蛋白負荷に留意
予防
高所からのジャンプの回避。関節固定術(pancarpal arthrodesis)が根治的治療。ギプス/スプリント固定は不十分なことが多い。
予後
予後は疾患の種類、重症度、診断時期、治療への反応性、個体の全身状態により異なる。早期発見と適切な治療介入により多くの疾患で良好な転帰が期待できる。慢性疾患では長期的な管理計画の策定と飼い主のコンプライアンスが予後に大きく影響する。定期的な経過観察と治療計画の再評価が最適な治療成績の達成に不可欠である。合併症の予防と生活の質の維持が長期管理の目標である。
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