離断性骨軟骨症(OCD)
概要
急速成長大型犬の軟骨内骨化障害。軟骨フラップ形成と関節水腫を引き起こす。最多発生部位は肩関節(上腕骨後頭部、60%);次いで肘(上腕骨内側顆)・膝(大腿骨外側顆)・飛節(内側滑車稜)。肩関節では30〜50%が両側性。発症:4〜8ヶ月。雄が雌の2倍。
主な症状
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臨床徴候
犬における離断性骨軟骨症(OCD)の臨床徴候は病態と進行段階により多様である。一般的非特異的所見(食欲不振・元気消失・体重減少)に加え、罹患臓器・系統に特異的な症状が顕在化する。病歴聴取と詳細な身体検査により症状パターンを把握し、補助検査で確定診断に至る。早期発見と適切な介入が予後改善の鍵となる。
原因
急速な成長+過剰栄養(高カロリー・高Ca食)。遺伝的素因。好発犬種:ラブラドール、ゴールデン、グレートデーン、アイリッシュウルフハウンド、ロットワイラー、バーニーズ。発症月齢:4〜8ヶ月。雄が主体。素因のある軟骨への外傷が引き金になることも。
病態生理
軟骨内骨化障害→異常な軟骨肥厚(>3〜4 mm;正常<1〜2 mm)→深部軟骨の無腐性壊死→軟骨下骨の亀裂→軟骨フラップ形成(遊離体:'joint mouse')→滑膜炎→二次性OA。過剰Ca摂取・急速な成長が正常な軟骨の成熟・血管化を障害する。
診断
犬の離断性骨軟骨症(OCD)の診断はX線検査とCT/関節鏡に基づく。X線: 関節面の軟骨下骨の不整・陥凹、遊離体(joint mouse)。好発部位: 肩関節(尾側上腕骨頭 — 最多)、肘関節(内側顆)、膝関節(大腿骨内側顆)、飛節(距骨内側稜)。CT: 軟骨下骨病変の正確な評価、flap sizeの測定。関節鏡: 確定診断と同時にフラップ除去・掻爬。関節液分析: 非化膿性関節炎パターン。触診: 関節液貯留、ROM制限。対側肢の評価(両側性30-60%)。好発: ラブラドール、ゴールデンレトリバー、ロットワイラー、グレートデン、GSD。大型犬の成長期(4-8ヶ月齢)に発症。
治療
外科的(確立したフラップには推奨):関節鏡下OCDフラップ除去と軟骨下骨掻爬—ゴールドスタンダード。フラップ除去で疼痛が急速に軽減;掻爬は線維軟骨による欠損部治癒を促進。遊離体の除去が必須。上腕二頭筋腱炎合併時は同時治療(コルチコステロイド注射または腱切除)。成績:75〜85%が正常機能に回復;スポーツ犬60〜70%。保存療法(真のフラップのない初期病変、<5ヶ月齢):4〜8週の厳格な安静(ケージレスト)+NSAIDs(カルプロフェン4.4 mg/kg SID)+食事療法(成長速度制限、Ca補充削減)—25〜35%が安静のみで治癒。4〜8週後のX線再検。周術期NSAIDs:メロキシカム0.1 mg/kg SID 7〜14日。長期OA管理:EPA/DHA 40〜100 mg/kg/日、グルコサミン/コンドロイチン、制御的運動。慢性OA疼痛:ベジンベトマブ(リブレラ)0.5 mg/kg SC 月1回。
予防
大型犬子犬用フード(AAFCO認定、制限Ca/P)—Ca/Pサプリメントを避ける。過剰給餌回避(BCS 4〜5/9)。遺伝カウンセリング—罹患犬は繁殖から除外。好発犬種での4〜8ヶ月齢での跛行の早期評価。
予後
関節鏡的治療:75〜85%が正常〜ほぼ正常機能に回復。手術時<7ヶ月の犬はより良好(二次OA少)。保存療法:25〜35%のみが手術なしで治癒;残りは進行性OA。両側性肩関節OCD:両側手術(6〜8週間隔で段階的)。大部分で長期OA管理が必要。罹患犬は繁殖に使用しない。
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