尿路感染症
概要
尿路の細菌感染症で、若い猫では少ないですが高齢猫や免疫不全の猫に多いです。
主な症状
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臨床徴候
猫における尿路感染症の臨床徴候は感染部位と病原体特性により多様だが、共通所見として発熱・元気消失・食欲不振・体重減少が認められる。局所感染では発赤・腫脹・疼痛・排膿を、全身感染では脱水・敗血症・多臓器不全に進展しうる。幼若・高齢・免疫抑制状態は重症化リスクが高く、早期介入が予後改善に直結する。
原因
猫における尿路感染症の原因: 尿路の細菌感染症で、若い猫では少ないですが高齢猫や免疫不全の猫に多いです。
病態生理
猫の細菌性尿路感染症は犬と比較して発生頻度が低く(LUTS猫の1-5%)、若齢猫では極めて稀だが高齢猫(>10歳)では12-18%に増加する。原因菌はE. coli(最多)、Enterococcus、Staphylococcus、Proteus。素因は:(1) CKD(尿濃縮能低下→希釈尿は細菌増殖に好適)、(2) 糖尿病(グルコース尿は培地となる)、(3) 甲状腺機能亢進症、(4) 長期ステロイド投与、(5) 尿道カテーテル留置後。猫の尿は正常では高浸透圧・酸性・高尿素で強い抗菌作用を持つため、細菌性UTIの存在は基礎疾患の検索が必須であることを示唆する (Dorsch R et al. JFMS 2019;21:1023-1038; ISCAID guidelines 2019)。
診断
尿検査で膿尿(WBC>5/HPF)、細菌尿、蛋白尿、血尿を確認。尿培養+感受性試験で起炎菌を同定。膀胱穿刺(cystocentesis)で採取した尿で≧1,000 CFU/mLが有意。CBC/生化学で全身性感染の有無を評価。腹部超音波で結石・腫瘍・解剖学的異常を除外。猫のUTIは犬より稀(FLUTD全体の1-3%)。高齢猫・CKD・糖尿病・甲状腺機能亢進症との関連が多い。
治療
猫における尿路感染症の治療には、可能であれば培養感受性試験に基づく標的抗菌薬療法が必要である。結果待ちの間は経験的広域抗菌薬を開始する。抗菌薬治療期間は感染の排除と耐性予防に十分な期間とする。膿瘍や壊死組織には外科的排膿またはデブリードマンが必要な場合がある。支持療法として輸液、鎮痛薬、抗炎症薬、栄養サポートを行う。
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予防
尿路感染症の予防には適切な衛生管理・消毒、利用可能なワクチン接種、創傷の迅速な処置、ストレス軽減、適切な換気、感染動物の隔離が含まれる。
予後
尿路感染症の予後: 早期治療で予後良好。再発予防には食事管理と定期検査が重要。閉塞性疾患は緊急対応で予後改善。慢性腎疾患はステージにより予後が異なる。
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