猫シスチン尿石症
概要
腎尿細管でのシスチン再吸収障害による遺伝性尿石症。猫では犬に比べ稀だが、シャム、ドメスティックショートヘアで報告あり。雄猫に多く、尿道閉塞のリスクがある。
主な症状
※ 症状をクリックすると、その症状を示す猫の他の疾患を確認できます
臨床徴候
猫における尿路結石症の臨床徴候は病態と進行段階により異なる。慢性腎臓病: 多飲多尿・体重減少・食欲不振・嘔吐・口臭・脱水(早期は無症候)。急性腎障害: 無尿/乏尿・嘔吐・元気消失・電解質異常。下部尿路疾患(FLUTD/FIC): 頻尿・排尿困難・血尿・排尿時痛・不適切排尿、雄では尿閉(緊急)。尿路感染: 頻尿・血尿・濁尿・発熱(腎盂腎炎時)。
原因
腎近位尿細管のアミノ酸トランスポーター(SLC3A1/SLC7A9)の遺伝子変異。シスチンの再吸収障害→尿中シスチン濃度上昇→結石形成。
病態生理
腎近位尿細管のシスチントランスポーター異常→シスチン再吸収障害→尿中シスチン過排泄→酸性尿中でシスチンが析出→結晶化→結石形成。シスチンは全アミノ酸中で最も水溶性が低い。
診断
血尿、頻尿、排尿困難、不適切な排尿場所。腹部X線でストルバイト/シュウ酸Ca結石を検出。尿酸塩結石はX線透過性→エコーで検出。腹部エコーで膀胱内結石+膀胱壁肥厚を評価。尿検査: pH(ストルバイト>7.0、シュウ酸Ca<6.5)、結晶同定、尿培養。結石分析(定量分析: 赤外分光法)が結石組成確定に最重要。猫ではシュウ酸Caが約55%、ストルバイトが約45%(犬と異なる比率)。
治療
尿アルカリ化(クエン酸カリウム)でシスチン溶解度を上昇させる。チオプロニン(2-MPG)でシスチンを可溶性化合物に変換。低タンパク食+十分な飲水で尿希釈。大結石は外科的摘出(膀胱切開術)。尿道閉塞時は緊急カテーテル処置。
PRPR・自社製品(補助療法オプション)
予防
低タンパク食、十分な飲水量(ウェットフード主体)、尿アルカリ化。定期的な尿検査・画像検査でモニタリング。
予後
適切な内科管理で再発率を低減可能。生涯の管理が必要。繁殖管理のための遺伝子検査が推奨される。
関連する薬品
※ 薬品名をクリックすると詳細な投与量・副作用情報を確認できます
📚 参考文献
Based on articles retrieved from PubMed
泌尿器の他の疾患(猫)
VetDictで猫の鑑別診断を行う
症状チェッカーを使う関連する疾患
VetDict は獣医師(DVM)が開発した臨床支援ツールです。