尿道閉塞
概要
尿道の完全閉塞により排尿不能となる致死的緊急疾患で、オス猫に多いです。
主な症状
原因
猫における尿道閉塞の原因: 尿道の完全閉塞により排尿不能となる致死的緊急疾患で、オス猫に多いです。
病態生理
尿道閉塞は猫における腎・泌尿器疾患である。腎臓、尿管、膀胱、または尿道の構造的・機能的障害を伴う。腎疾患は糸球体濾過、尿細管再吸収・分泌、およびホルモン機能(エリスロポエチン、カルシトリオール、レニン)を障害する。進行性のネフロン喪失により高窒素血症、電解質異常、酸塩基障害が生じる。下部尿路疾患は閉塞、尿石症、上行感染を引き起こしうる。
治療
【緊急】1. 安定化: 大口径IV留置針で輸液(生理食塩水またはLRS、初期ボーラス10-20 mL/kg)。高K血症(>7.0 mEq/L)にはグルコン酸Ca 10% 0.5-1.5 mL/kg 緩徐IV + レギュラーインスリン0.25-0.5 IU/kg IV + 50%デキストロース1-2 g/IU。心電図モニタリング必須。2. 減圧: 鎮静(ブプレノルフィン0.01-0.03 mg/kg IV + アセプロマジン0.02-0.05 mg/kg IV、またはプロポフォール)下で尿道カテーテル(3.5Fr トムキャットカテーテル)留置。無菌操作で逆行性洗浄。膀胱洗浄後に閉鎖式採尿システムを24-72時間留置。3. 閉塞後管理: 閉塞後利尿に対応するため輸液量調整(尿量+不感蒸泄)。電解質モニタリング4-6時間毎。疼痛管理(ブプレノルフィン0.01-0.03 mg/kg q6-8h IV/IM、またはメロキシカム0.05 mg/kg SC 初回のみ)。プラゾシン0.25-0.5 mg/頭 PO q12h で尿道弛緩。4. 再閉塞時: 会陰尿道瘻術(PU手術)を検討。
予防
ウェットフード主体の食事、飲水量増加策(循環式水飲み器等)、ストレス軽減(MEMO環境改善プログラム)、フェリウェイ使用、排尿パターンの日常的観察。初期症状(頻尿、血尿、トイレ外排尿)を見逃さないこと。
予後
尿道閉塞の予後は適切な管理により一般的にやや良好〜良好である。早期診断された症例の多くは治療に良好に反応する。慢性例や再発例では長期管理が必要だが、概ね許容できるQOLを維持できる。定期的なモニタリングにより合併症の早期発見・対処が可能となる。
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