大動脈血栓塞栓症
概要
大動脈分岐部に血栓が詰まり、突然の後肢麻痺と激しい痛みを引き起こします。
主な症状
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臨床徴候
猫における大動脈血栓塞栓症の臨床徴候は心機能低下の程度により段階的に進行する。代償期(無症候): 心雑音が唯一の所見、聴診で発見される。早期心不全: 運動不耐性・咳(左心不全)・腹水(右心不全)。進行性心不全: 呼吸困難・チアノーゼ・失神・夜間咳。末期: 起座呼吸・肺水腫・心原性ショック。猫では FATE(大動脈血栓塞栓症)として急性後肢麻痺・冷感・疼痛・パルス消失で発症することがある。
原因
猫における大動脈血栓塞栓症の原因: 大動脈分岐部に血栓が詰まり、突然の後肢麻痺と激しい痛みを引き起こします。
病態生理
大動脈血栓塞栓症は猫における循環器疾患である。心臓、大血管、または末梢血管系の構造的・機能的異常を伴う。心拍出量の低下、弁膜機能障害、調律異常により組織灌流が障害される。代償機構(神経ホルモン活性化、心室リモデリング)が一時的に機能を維持するが、進行性の心筋劣化を引き起こす。心不全、血栓塞栓症、突然死が進行期疾患の潜在的結果である。
診断
猫の大動脈血栓塞栓症(ATE/サドル血栓)の診断は臨床所見で迅速に行う。5P's: Pain(激痛 — 叫声)、Paralysis(後肢麻痺)、Pulselessness(大腿動脈拍動消失)、Pallor(肉球蒼白/チアノーゼ)、Poikilothermia(後肢の冷感 — 前肢との温度差)。ドプラ超音波: 大腿動脈血流の消失/低下。腹部超音波: 大動脈分岐部の血栓エコー(saddle thrombus)。心エコー: 基礎心疾患の評価(HCMが最多 — 90%)、左房内血栓/モヤモヤエコー(SEC — smoke)。CBC: ストレス白血球像。血液生化学: CK著増(筋壊死 — >10,000 IU/L)、高K(筋融解による再灌流時)、乳酸上昇。予後不良因子: 体温低下、高K、3肢以上の障害。超緊急 — 診断と安定化を同時進行。
治療
【緊急】1. 疼痛管理(最優先): ブプレノルフィン0.01-0.03 mg/kg IV/IM q6-8h、またはフェンタニルCRI 2-5 μg/kg/h IV。メタドン0.1-0.3 mg/kg IM も選択肢。NSAIDsは循環不全があるため避ける。2. 抗凝固療法: 未分画ヘパリン初期250-375 IU/kg IV bolus → 150-300 IU/kg SC q6-8h。長期はクロピドグレル18.75 mg/頭 PO q24h(アスピリンより有効)。3. 心不全管理: 基礎疾患のHCM/DCMに対しフロセミド1-2 mg/kg IV q1-4h(肺水腫時)、酸素補給。心エコーで基礎心疾患を評価。4. 支持療法: 輸液は心不全の程度に応じ慎重に。体温管理(低体温の場合は緩徐加温)。患肢は包帯で保護するが圧迫しない。5. モニタリング: 患肢のドップラー血流、乳酸値、腎機能、電解質。再灌流障害(高K血症)に注意。
予防
リスク品種(メインクーン、ラグドール、ブリティッシュショートヘア等)の定期心エコー。心疾患が確認された猫にはクロピドグレル18.75 mg/頭 PO q24hの予防投与。ストレス最小化、室温管理。
予後
予後不良〜要注意。治療下での生存期間中央値は77-184日。約33%が24時間以内に死亡。再発率24-75%。生存例の40-60%で運動機能が回復(2-6週間)。片側性は両側性より予後良好。72時間で運動機能回復なしは予後不良の指標。安楽死の検討基準: 両後肢完全麻痺+回復兆候なし、重篤な心不全併発、オーナーの意向。
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📚 参考文献
Based on articles retrieved from PubMed
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