大動脈血栓塞栓症
概要
大動脈分岐部に血栓が詰まり、突然の後肢麻痺と激しい痛みを引き起こします。
主な症状
原因
猫における大動脈血栓塞栓症の原因: 大動脈分岐部に血栓が詰まり、突然の後肢麻痺と激しい痛みを引き起こします。
病態生理
大動脈血栓塞栓症は猫における循環器疾患である。心臓、大血管、または末梢血管系の構造的・機能的異常を伴う。心拍出量の低下、弁膜機能障害、調律異常により組織灌流が障害される。代償機構(神経ホルモン活性化、心室リモデリング)が一時的に機能を維持するが、進行性の心筋劣化を引き起こす。心不全、血栓塞栓症、突然死が進行期疾患の潜在的結果である。
治療
【緊急】1. 疼痛管理(最優先): ブプレノルフィン0.01-0.03 mg/kg IV/IM q6-8h、またはフェンタニルCRI 2-5 μg/kg/h IV。メタドン0.1-0.3 mg/kg IM も選択肢。NSAIDsは循環不全があるため避ける。2. 抗凝固療法: 未分画ヘパリン初期250-375 IU/kg IV bolus → 150-300 IU/kg SC q6-8h。長期はクロピドグレル18.75 mg/頭 PO q24h(アスピリンより有効)。3. 心不全管理: 基礎疾患のHCM/DCMに対しフロセミド1-2 mg/kg IV q1-4h(肺水腫時)、酸素補給。心エコーで基礎心疾患を評価。4. 支持療法: 輸液は心不全の程度に応じ慎重に。体温管理(低体温の場合は緩徐加温)。患肢は包帯で保護するが圧迫しない。5. モニタリング: 患肢のドップラー血流、乳酸値、腎機能、電解質。再灌流障害(高K血症)に注意。
予防
リスク品種(メインクーン、ラグドール、ブリティッシュショートヘア等)の定期心エコー。心疾患が確認された猫にはクロピドグレル18.75 mg/頭 PO q24hの予防投与。ストレス最小化、室温管理。
予後
予後不良〜要注意。治療下での生存期間中央値は77-184日。約33%が24時間以内に死亡。再発率24-75%。生存例の40-60%で運動機能が回復(2-6週間)。片側性は両側性より予後良好。72時間で運動機能回復なしは予後不良の指標。安楽死の検討基準: 両後肢完全麻痺+回復兆候なし、重篤な心不全併発、オーナーの意向。
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📚 参考文献
Based on articles retrieved from PubMed
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