膿胸
概要
細菌感染により胸腔内に膿が貯留する生命を脅かす疾患です。
主な症状
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臨床徴候
猫における膿胸の臨床徴候は感染部位と病原体特性により多様だが、共通所見として発熱・元気消失・食欲不振・体重減少が認められる。局所感染では発赤・腫脹・疼痛・排膿を、全身感染では脱水・敗血症・多臓器不全に進展しうる。幼若・高齢・免疫抑制状態は重症化リスクが高く、早期介入が予後改善に直結する。
原因
膿胸は胸膜腔内の細菌感染で起こり、穿通性外傷、移動性異物、肺炎、隣接感染巣からの波及などが原因となることがありますが、原因不明例もあります。
病態生理
膿性滲出液が胸膜腔に貯留して肺を圧迫し、換気障害と全身性炎症を引き起こします。敗血症や呼吸不全に急速に進行することがあります。
診断
猫の膿胸の診断は胸水穿刺と細胞診/培養に基づく。胸水穿刺: 混濁〜膿性の悪臭液体。細胞診: 変性好中球、細胞内細菌。培養・感受性試験(好気+嫌気): 嫌気性菌がしばしば関与(Bacteroides、Fusobacterium、Peptostreptococcus)。胸水分析: TP>3.0 g/dL、有核細胞>10,000/μL、pH<6.9、グルコース低値。胸部X線/CT: 液体貯留の範囲、被包化の評価、肺実質病変(膿瘍、異物)。CBC: 著明な好中球増多・左方移動。原因: 咬傷(屋外猫間のケンカ)、吸入異物(草の穂)、食道穿孔、肺膿瘍の破裂。猫では原因不明が50%以上。胸腔チューブドレナージ+洗浄が治療の基本。FeLV/FIV検査。
治療
治療は胸腔内排膿の反復、必要に応じた胸腔ドレーン留置、長期間の抗菌薬投与、静脈輸液などの支持療法、さらに壊死組織や異物除去が必要な場合の外科手術が中心です。
予防
咬傷、胸部感染、異物性疾患を早期に治療することがリスク低減につながりますが、原因不明例もあるため完全予防できない場合があります。
予後
初期の重篤期を乗り切れば、持続的な基礎疾患がない症例では予後は比較的良好です。一方で早期死亡もあり、重症例では生存率が制限されます。
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