乳び胸
概要
胸管の漏出により胸腔内に乳び液が貯留する疾患です。
主な症状
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臨床徴候
猫における乳び胸の臨床徴候は罹患臓器と腫瘍の種類により多様。一般的所見: 進行性の腫瘤形成・体重減少・食欲不振・元気消失・貧血。体表腫瘤では触知可能な腫脹・疼痛を、内臓腫瘍では腹部膨満・嘔吐・下痢・呼吸困難・リンパ節腫大などの非特異的症状を呈する。傍腫瘍症候群として高カルシウム血症(リンパ腫・肛門周囲腺癌)や低血糖(インスリノーマ)を合併することがある。
原因
外傷、胸管や前大静脈内圧上昇、うっ血性心不全、心虫症、真菌症、胸部腫瘍、あるいは特発性漏出が乳び胸の原因になります。
病態生理
胸管漏出やリンパ還流障害によりトリグリセリドに富む乳び液が胸膜腔に貯留し、肺を圧迫するとともに胸膜を慢性的に刺激します。慢性化すると拘束性線維性胸膜炎を起こしえます。
診断
猫の乳び胸の診断は胸水分析で確定する。胸水TG: >100 mg/dL かつ血清TGより高値。コレステロール/TG比: <1で乳び胸確定的。胸水外観: 乳白色〜ピンク色(出血混入時)。細胞診: 小型リンパ球優位(慢性化すると好中球増加)。原因検索: 心エコー(心疾患 — HCM/RCM)、胸部CT(前縦隔腫瘤 — 胸腺腫/リンパ腫)、リンパ管造影(胸管の走行評価、手術計画)。CBC: 通常正常。リンパ球減少(慢性的なリンパ液喪失)。血液生化学: 低アルブミン血症、低グロブリン血症。特発性が猫の乳び胸の50%以上。心疾患(HCM)が原因の場合は心疾患の治療が優先。
治療
初期治療は胸水排液による呼吸の回復で、症例によっては胸腔ドレーンが必要です。補助療法としてオクトレオチド、ルチン、低脂肪食を用いることがあり、根本治療は基礎疾患治療や胸管関連手術になります。
予防
予防は基礎疾患管理や外傷予防に依存します。特発例は確実な予防が難しいため、咳や呼吸困難の早期発見が重要です。
予後
乳び胸は致死的になりえますが、呼吸を安定化でき、基礎原因を特定・制御し、再発を防げれば予後は良好になりえます。持続性の原疾患や重度の線維性胸膜炎がある場合は予後不良です。
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