心血管系細菌性疾患(猫)
概要
菌血症源(歯科疾患・尿路感染・皮膚創傷・留置カテーテル)から血行性に弁膜内皮に定着し、疣贅(vegetation)を形成する。猫では犬より稀だが、バルトネラ・ヘンセレが最も重要な起因菌。僧帽弁・大動脈弁に好発し、弁破壊→逆流、疣贅の塞栓→多臓器梗塞(脳・腎・脾)を生じる。不明熱・新規心雑音・塞栓性事象が三徴。血液培養3セットと心エコーが診断の要で、6-8週の標的抗菌薬療法が必要。
主な症状
原因
病原体(細菌・ウイルス・真菌・原虫)の感染が直接的な原因であり、宿主の免疫力低下、過密飼育、不衛生な環境、慢性的ストレス、栄養不良、併発疾患が感染リスクを著しく増大させる。病原体の毒力と宿主の免疫応答のバランスが発症と重症度を決定する。若齢・老齢個体や免疫抑制状態では感染が重篤化しやすい傾向にある。
病態生理
細菌が創傷、歯科疾患、またはその他の感染症を介して血流に侵入し、心内膜、心臓弁、または血管内皮に定着して疣贅性病変(感染性心内膜炎)を形成する。これにより弁閉鎖不全、敗血症性塞栓、免疫複合体沈着、および進行性の心機能障害が引き起こされる。猫における一般的な原因菌にはBartonella henselae、Streptococcus属、Staphylococcus属、Escherichia coliなどがある。
治療
長期間の静脈内抗菌薬投与(4~8週間)が不可欠であり、アモキシシリン・クラブラン酸またはアンピシリンにアミノグリコシド系(ゲンタマイシン)またはフルオロキノロン系(エンロフロキサシン)を併用する。バルトネラ関連心内膜炎にはアジスロマイシンまたはドキシサイクリンとリファンピンの併用が推奨される。心不全管理としてエナラプリルやフロセミドなどの心臓薬の投与、および再感染予防のためのノミ駆除を行う。 [ECVN:Block] 【補助療法オプション — Equine & Canine Vet Nutrition (caninevet.jp)】 • MSM+アミノコンプリート (MSM+必須アミノ酸(BCAA中心)): 組織修復・筋肉維持・肝腎栄養サポート • NMNミトコンドリアアシスト (NMN+α-リポ酸+システイン+プロバイオティクス): 細胞エネルギー代謝・サーチュイン活性化・抗老化 ※MSM+アミノコンプリート: 重度肝・腎不全は蛋白負荷に留意
予防
適切なワクチネーションプログラムの実施、衛生的な飼育環境の維持、新規導入動物の検疫期間の設定が基本的予防策である。過密飼育の回避、適切な栄養管理による免疫力の維持、ストレス軽減も重要である。感染動物との接触を避け、汚染された器具や環境の消毒を徹底する。定期的な健康診断による早期発見と早期治療が蔓延防止に不可欠である。
予後
予後は病原体の種類、感染の重症度、宿主の免疫状態、治療開始の時期に大きく依存する。早期に適切な抗微生物療法が開始されれば多くの感染症で良好な転帰が期待できる。免疫抑制状態の動物や重度の敗血症を呈する症例では予後不良となりうる。慢性感染では完治が困難な場合があり、長期的な管理と再発防止策が必要となる。
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