喘息
概要
猫で最も一般的な呼吸器疾患の一つで、全猫の約1-5%が罹患。吸入アレルゲン(ダニ・花粉・カビ)に対するTh2型免疫応答により好酸球性気道炎症、気管支平滑筋攣縮、粘液過分泌が生じる。シャム・ヒマラヤンに品種素因あり。発作時の開口呼吸・腹式努力呼吸・喘鳴が特徴的。胸部X線でドーナツサイン・トラムライン、BALで好酸球>17%で診断。吸入ステロイド(フルチカゾン)が長期管理の第一選択。
主な症状
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原因
猫喘息は、吸入アレルゲン(ハウスダスト、花粉、タバコ煙、猫砂の粉塵、芳香スプレー等)に対するI型過敏症(アレルギー性気道炎症)である。シャム猫での好発が報告され、若〜中年猫に多い。
病態生理
猫喘息は下部気道の慢性好酸球性炎症と可逆性の気管支収縮を特徴とする疾患で、ヒトのアレルギー性喘息と類似した病態を呈する。環境アレルゲン(ハウスダスト、花粉、タバコ煙、猫砂粉塵)への感作→IgE介在性の即時型過敏反応→肥満細胞の脱顆粒→ヒスタミン・ロイコトリエン放出→気管支平滑筋収縮・粘液過分泌。慢性化すると気道リモデリング(平滑筋肥厚、基底膜肥厚、杯細胞過形成)が不可逆的に進行する。重度急性発作(status asthmaticus)では気管支攣縮による窒息死がありうる。全猫の1-5%が罹患すると推定され、シャム猫に好発傾向がある (Trzil JE. Vet Clin North Am Small Anim Pract 2020;50:375-391; Reinero CR. JVIM 2011;25:1258-1269)。
治療
急性発作(緊急):酸素投与(フローバイ)、テルブタリン(0.01 mg/kg SC/IM)即効性気管支拡張、デキサメタゾンSP(0.5-1 mg/kg IV/IM)。ストレスを最小限にする取扱い。長期管理:吸入ステロイド(フルチカゾン110 μg MDI+AeroKat q12h)が推奨 — 全身副作用を最小化。経口プレドニゾロン(1-2 mg/kg PO q24h→漸減)は吸入不可例に。気管支拡張薬:アルブテロール吸入(MDI 90 μg+AeroKat、発作時レスキュー)。テオフィリン徐放(25 mg/cat PO q24h夜間投与)。シクロスポリン(5 mg/kg PO q24h)は重症/ステロイド不応例に。環境管理:粉塵の少ない猫砂、空気清浄機、禁煙。胸部X線とBALで診断確認。
予防
猫における喘息の予防は環境因子の管理が中心。タバコの煙・室内塵・化学香料・粉塵への曝露回避。短頭種気道症候群: 適正体重維持、暑熱環境回避、必要に応じた外科的気道形成術。気管虚脱: 適正体重維持、ハーネス使用(首輪回避)、誘発因子(興奮・暑熱・脱水)の管理。喘息(猫): アレルゲン特定と回避、室内環境改善。
予後
猫喘息は治癒不能だが、適切な管理で良好なQOL維持が可能。第一選択:吸入ステロイド(フルチカゾン110μg MDI、AeroKatスペーサー使用、q12h)→全身性副作用を最小化。急性発作:テルブタリン0.01 mg/kg SC/IMで即時気管支拡張、デキサメタゾン0.5-1 mg/kg IV。経口ステロイド(プレドニゾロン1-2 mg/kg q12h→漸減)は吸入療法導入時のbridge therapy。環境アレルゲン除去(空気清浄機、低粉塵猫砂、禁煙)が再発頻度を低減。気道リモデリングが進行した慢性例では治療反応が低下する (Trzil JE. Vet Clin North Am Small Anim Pract 2020;50:375-391)。
関連する薬品
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📚 参考文献
Based on articles retrieved from PubMed
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