猫気管支異物
概要
気管支樹に嵌入した吸入異物(草の芒・植物片)です。
主な症状
※ 症状をクリックすると、その症状を示す猫の他の疾患を確認できます
臨床徴候
猫気管支異物の臨床徴候は気道閉塞・換気障害の部位により異なる。上気道: いびき・吸気性ストライダー・運動不耐性・吸気性チアノーゼ(短頭種気道症候群)。気管: 短く乾性の発作的咳(gander-honk)・ストライダー(気管虚脱)。下気道: 慢性咳・呼気性呼吸困難・喘鳴・換気不全(喘息・COPD様病態)。突発的悪化はストレス・運動・気温変化で誘発される。
原因
猫における猫気管支異物の原因: 気管支樹に嵌入した吸入異物(草の芒・植物片)です。
病態生理
猫気管支異物は猫における外傷性・機械的疾患である。罹患組織の構造的耐性を超える外部機械的力により組織損傷が生じる。損傷は出血、浮腫、疼痛を伴う急性炎症カスケードを惹起する。重症度に応じて、血管供給の途絶による虚血、環境微生物による汚染、進行性の組織壊死が生じうる。治癒過程は止血、炎症、増殖、リモデリングの各段階を経る。
診断
猫気管支異物の診断は、急性発症の咳嗽、呼吸困難、喘鳴を呈する猫での画像検査と気管支鏡検査に基づく。胸部X線で異物の直接描出(金属・骨片等のX線不透過性異物)、局所的な肺葉の無気肺・過膨張、気管支周囲浸潤影を確認する。植物性異物(草の芒等)はX線透過性で直接描出困難なため、CTが有用である。CT検査で気管支内の異物と続発性変化(粘液栓、気管支拡張、肺炎)を評価する。気管支鏡検査が確定診断と治療(異物除去)を同時に行える最も有用な手段である。BAL(気管支肺胞洗浄)の細胞診・培養で二次感染を評価する。慢性例では限局性気管支拡張症・膿胸への進行を評価する。
治療
猫における猫気管支異物の治療は安定化、疼痛管理、創傷ケアを優先する。生命を脅かす損傷を最初に評価・対処する(気道、呼吸、循環)。種に適した鎮痛薬(NSAIDs、オピオイド、局所麻酔薬)による鎮痛が不可欠である。創傷を洗浄・デブリードマンし、一次閉鎖、二次治癒、再建手術を適宜行う。汚染創には広域抗菌薬を使用する。骨折には副子固定または外科的固定を行う。遅発性合併症をモニタリングする。
予防
猫気管支異物の予防には安全で種に適した飼育環境の整備、鋭利物・危険物の除去、適切な取り扱い技術、他の動物との接触時の監視、温度管理、落下防止策が含まれる。
予後
猫気管支異物の予後: 軽度の上部気道感染は治療に良好に反応。肺炎は早期治療で予後改善。慢性呼吸器疾患は長期管理が必要。
関連する薬品
※ 薬品名をクリックすると詳細な投与量・副作用情報を確認できます
呼吸器の他の疾患(猫)
VetDictで猫の鑑別診断を行う
症状チェッカーを使う関連する疾患
VetDict は獣医師(DVM)が開発した臨床支援ツールです。