猫カリシウイルス感染症
概要
口腔潰瘍、呼吸器症状、時に関節痛を引き起こす高度に伝染性のウイルスです。
主な症状
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臨床徴候
猫カリシウイルス感染症の臨床徴候は感染部位と病原体特性により多様だが、共通所見として発熱・元気消失・食欲不振・体重減少が認められる。局所感染では発赤・腫脹・疼痛・排膿を、全身感染では脱水・敗血症・多臓器不全に進展しうる。幼若・高齢・免疫抑制状態は重症化リスクが高く、早期介入が予後改善に直結する。
原因
猫における猫カリシウイルス感染症の原因: 口腔潰瘍、呼吸器症状、時に関節痛を引き起こす高度に伝染性のウイルスです。
病態生理
猫カリシウイルス(FCV)はカリシウイルス科の一本鎖RNAウイルスで、猫の上部呼吸器感染症の30-40%を占める。口腔粘膜に高い親和性を持ち、舌・硬口蓋・軟口蓋に特徴的な潰瘍を形成する。通常株は上部気道症状(鼻汁、くしゃみ、結膜炎)+口腔潰瘍が主徴で、7-10日で回復するが、75%の回復猫がキャリアとなりウイルスを数ヶ月〜数年排出する。Virulent systemic FCV(VS-FCV)は高病原性変異株で、全身性血管炎→皮膚浮腫・潰瘍、肝壊死、肺炎、DICを引き起こし、致死率>50%。ワクチン接種猫でもVS-FCVに感受性があり、シェルター/病院内アウトブレイクの原因となる (Radford AD et al. JFMS 2009;11:556-571)。
診断
口腔内検査で舌・口蓋の潰瘍を確認(FCV特徴的所見)。鼻汁・結膜炎を評価。口腔/鼻腔スワブからRT-PCRでFCVを検出。ウイルス分離培養(CRFK細胞)。CBC/生化学は概ね正常(二次感染時は白血球増多)。胸部X線で肺炎を除外。VS-FCV(virulent systemic FCV)では浮腫、DIC、多臓器不全。FHV-1との混合感染を評価。ワクチン接種歴の確認。
治療
猫上部気道感染症(FHV-1/FCV)の治療: ① 抗ウイルス薬(FHV-1): ファムシクロビル 90 mg/kg PO q8-12h × 7-21日(最も推奨、ISFM 2018)、外用シドフォビル 0.5% 点眼 q12h(角膜潰瘍時)。② 二次性細菌感染(鼻汁・結膜炎): ドキシサイクリン 10 mg/kg PO q24h × 21-28日(Bordetella/Mycoplasma /Chlamydia疑い時)、または アモキシシリン/クラブラン酸 12.5-25 mg/kg PO q12h。③ 角膜潰瘍: オフロキサシン点眼 q4-6h、L-リジン 250-500 mg/cat PO q12h(FHV-1抑制、エビデンス限定)。④ ネブライザー(生食 q8h)で粘液排出促進。⑤ 食欲増進: ミルタザピン 1.88 mg/cat PO q48h、カプロモレリン 3 mg/kg PO q24h。⑥ 重症FCV変異株(virulent systemic FCV)は致死率最大67%—隔離・支持療法強化。ISFM Consensus Guidelines 2018 on Feline URTD参照。
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予防
猫カリシウイルス感染症の予防にはワクチン接種(利用可能な場合)、新規・病気動物の隔離、厳格なバイオセキュリティ対策、適切な消毒プロトコル、既知のキャリアや汚染環境との接触回避が含まれる。
予後
猫カリシウイルス感染症の予後: ウイルスの種類と宿主の免疫状態による。ワクチン予防可能な疾患は予防が最善。支持療法で多くが回復可能。
関連する薬品
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