歯根膿瘍
概要
歯根周囲の細菌感染で、腫脹、痛み、排膿管の形成を引き起こすことがあります。
主な症状
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臨床徴候
猫における歯根膿瘍の臨床徴候は歯科疾患の種類と進行により多様。歯周病: 口臭・歯肉発赤/腫脹・流涎・採食困難・顔面腫脹(根尖膿瘍時)。不正咬合(草食動物): 流涎・採食速度低下・選択的採食・体重減少・糞便量減少・眼球突出・顎下膿瘍。歯根破折: 採食困難・片側咀嚼・口臭。口腔腫瘍: 口腔内腫瘤・出血・流涎・口臭・採食困難。
原因
猫における歯根膿瘍の原因: 歯根周囲の細菌感染で、腫脹、痛み、排膿管の形成を引き起こすことがあります。
病態生理
猫の歯根膿瘍は歯髄感染が根尖周囲に波及し膿瘍を形成する病態。猫での主な原因は:(1) 歯頸部吸収病変(FORL/tooth resorption — 猫の28-67%に発生)→歯髄露出→感染、(2) 歯周病の進行→歯周ポケットからの逆行性感染、(3) 外傷性歯冠破折。猫の歯吸収病変はType I(炎症性、歯根膜残存)とType II(置換性吸収、骨と癒合)に分類され、Type IIでは歯根が骨に置換されるため抜歯が技術的に困難。上顎犬歯の根尖膿瘍は眼窩下領域に瘻管を形成しうる (Reiter AM & Mendoza KA. JVIM 2002;16:261-275)。
診断
猫歯根膿瘍の診断はデンタルX線で歯根周囲の放射線透過性病変(periapical lucency)を確認。臨床徴候:顔面腫脹(上顎第4前臼歯→眼窩下部、犬歯→鼻鏡上方)、排膿、食欲低下、片側性の咀嚼。歯科用エクスプローラーで歯冠の破折・露髄を確認。CBC:白血球増加。上顎臼歯の歯根膿瘍は鼻口腔瘻を形成する場合あり。鑑別:FORL、歯周病、口腔腫瘍、顔面外傷。治療は抜歯が第一選択。抗菌薬投与。
治療
猫における歯根膿瘍の治療には、可能であれば培養感受性試験に基づく標的抗菌薬療法が必要である。結果待ちの間は経験的広域抗菌薬を開始する。抗菌薬治療期間は感染の排除と耐性予防に十分な期間とする。膿瘍や壊死組織には外科的排膿またはデブリードマンが必要な場合がある。支持療法として輸液、鎮痛薬、抗炎症薬、栄養サポートを行う。
予防
歯根膿瘍の予防には適切な衛生管理・消毒、利用可能なワクチン接種、創傷の迅速な処置、ストレス軽減、適切な換気、感染動物の隔離が含まれる。
予後
歯根膿瘍の予後: 多くの皮膚疾患は適切な治療で予後良好。感染性疾患は抗菌薬/抗真菌薬で治癒可能。アレルギー性は長期管理が必要。
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