小脳低形成
概要
子宮内パンリューコペニアウイルス感染による小脳の発育不全で、生涯の運動失調を引き起こします。
主な症状
※ 症状をクリックすると、その症状を示す猫の他の疾患を確認できます
原因
猫における小脳低形成の原因: 子宮内パンリューコペニアウイルス感染による小脳の発育不全で、生涯の運動失調を引き起こします。
病態生理
猫の小脳低形成は猫パルボウイルス(FPV/猫汎白血球減少症ウイルス)の子宮内感染または新生子感染により、発育中の小脳プルキンエ細胞が破壊される先天性の非進行性疾患。FPVは急速分裂細胞に親和性があり、胎仔の小脳顆粒層(出生前後に急速に増殖)を標的とする。妊娠末期の母猫がFPVに感染→経胎盤感染→子猫の小脳低形成。MLV(生ワクチン)の妊娠猫への接種でも同様の小脳低形成が発生しうる→妊娠猫へのMLVワクチンは禁忌。臨床徴候:対称性の小脳性運動失調、企図振戦(intention tremor)、広基歩行、過度の測距異常 (Sharp NJH et al. J Vet Intern Med 1999;13:252-256)。
治療
【猫における小脳低形成】 小脳低形成は猫における正確な臨床評価(病歴、身体検査、CBC・生化学、画像)から治療方針を決定。 基礎疾患の特定→特異的治療+支持療法の組み合わせが原則。 経過モニタリング: 主訴の改善、検査値の変化、QOLを2-4週毎に再評価。 複雑症例は猫専門医(ACZMまたはAVMAエキゾチック分科会等)に紹介を検討。 支持療法: 輸液(晶質液 60-80 mL/kg/日 IV、ショック時 90 mL/kg初期ボーラス)、酸素化、栄養管理、疼痛管理。ブプレノルフィン 0.02-0.03 mg/kg IM/OTM q6-8h で疼痛管理(オピオイド過剰反応に注意)。 【鑑別と経過観察】類似症候を呈する疾患の除外と、治療4-8週後の再評価が予後改善の鍵。重症度・併発症によっては猫の専門医紹介を考慮する。
予防
小脳低形成の予防にはワクチン接種(利用可能な場合)、新規・病気動物の隔離、厳格なバイオセキュリティ対策、適切な消毒プロトコル、既知のキャリアや汚染環境との接触回避が含まれる。
予後
小脳低形成の予後: 早期発見と適切な治療で多くの疾患は予後良好。慢性疾患は定期的モニタリングと治療調整で長期管理可能。
関連する薬品
※ 薬品名をクリックすると詳細な投与量・副作用情報を確認できます
神経の他の疾患(猫)
VetDictで猫の鑑別診断を行う
症状チェッカーを使う関連する疾患
VetDict は獣医師(DVM)が開発した臨床支援ツールです。