クリプトスポリジウム症
概要
クリプトスポリジウム属原虫による感染症で、特にヘビやトカゲで深刻です。
主な症状
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臨床徴候
爬虫類におけるクリプトスポリジウム症の臨床徴候は寄生虫種・寄生部位・寄生数により異なる。消化管寄生では下痢・嘔吐・体重減少・腹部膨満、外部寄生では掻痒・脱毛・皮膚炎、心血管寄生では咳・運動不耐性・腹水、血液寄生では貧血・発熱・元気消失を呈する。幼若・栄養不良個体では重症化しやすく、慢性経過では発育不良が顕著となる。
原因
C. serpentis(ヘビ — 胃型)、C. varanii(トカゲ — 腸型)、C. testudinis(カメ類)の感染。糞口経路、汚染水、媒介物を介して伝播。オーシストは環境中で極めて耐性が高い。
病態生理
クリプトスポリジウムは消化管上皮細胞表面に付着する(細胞内だが細胞質外寄生)。ヘビではC. serpentisが胃粘膜に定着し、特徴的な体中央部腫脹を伴う重度の肥厚性胃炎を引き起こす。粘膜過形成が消化吸収を障害し、慢性的な逆流と消耗を招く。
診断
糞便の酸抗染色(modified Ziehl-Neelsen)でオーシスト(4-6μm)検出。胃洗浄液の酸抗染色・PCR(Cryptosporidium serpentis→胃、C. varanii→腸)が種同定に有用。X線・造影検査で胃壁肥厚(ヘビの中部体幹腫大)を評価。胃・腸粘膜生検でクリプトスポリジウム虫体と粘膜肥厚を病理確認。CBC(ヘテロフィル増多は限定的)、血液生化学(低蛋白→慢性消耗)。ELISA・IFA法による抗原検出も利用可能。感染個体の隔離と環境消毒計画が必須。
治療
確実な治癒療法は存在しない。パロモマイシン300-800 mg/kg PO 24時間毎を7-14日間でオーシスト排出を軽減しうる。過免疫ウシ初乳が一部で有効。支持療法:輸液、補助給餌、保温。人獣共通感染リスクと難治性のため重症動物では安楽死を検討すべき。
予防
全ての新規動物のPCR検査付き厳格な検疫(90日以上)。オーシストは大部分の消毒薬に耐性 — アンモニア(5-10%)または蒸気滅菌を使用。ケージ間で器具を共用しない。コレクションに追加する前に検査。
予後
不良。爬虫類のクリプトスポリジウム症は一般に不治と考えられる。原虫は持続感染し進行性消耗を引き起こす。感染動物は永続的に隔離すべき。至適な支持療法で一部のトカゲは自然治癒する可能性がある。
関連する薬品
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