脛骨骨折
概要
脛骨の骨折で、ウサギで最も一般的な長骨骨折の一つで、不適切な取り扱いが原因のことが多いです。
主な症状
原因
筋骨格系組織への物理的外傷が原因。転落・ケージ損傷・取扱い事故・同居個体や捕食者からの咬傷・環境危険物が一般的原因。ウサギの解剖学的特性が特定の損傷タイプへの素因となりうる。二次合併症として感染・治癒遅延・慢性疼痛がある。
病態生理
ウサギの筋骨格系組織への外傷性損傷は、挫傷・裂傷・骨折を含む直接的な機械的組織損傷を引き起こす。急性炎症反応により浮腫・出血・疼痛が生じる。二次合併症として細菌汚染・感染・治癒遅延がある。ウサギでは損傷からのストレスが追加の全身合併症を引き起こしうる。
治療
脛骨骨折はウサギで最も多い骨折の一つ — ウサギの骨格は体重の7-8%のみ(猫13%に対し)、強力な後肢筋力に対して骨が脆弱。最多原因: 不適切な取り扱い(保持中のキックで自身の筋力による骨折)、ケージ内パニック反応、金網床に足が挟まる。【緊急安定化】: 即座の鎮痛 — メロキシカム1.0 mg/kg SC+ブプレノルフィン0.03-0.05 mg/kg SC/IM。一時的スプリント(ロバート・ジョーンズ包帯)で固定し追加損傷を防止。X線(2方向: 頭尾側+側面)で骨折型の特徴づけと修復計画。【外科的修復(ほとんどの脛骨骨折で推奨)】: 創外固定(ESF)— TYPE IIまたはTIE-IN構成がウサギ脛骨骨幹部骨折に推奨。軟部組織の剥離を最小限に(骨膜血液供給を温存)。髄内ピン: 単純横骨折/短斜骨折に。ピン径は髄腔の60-70%。回旋安定性のためサークラージワイヤーと併用が多い。骨プレート: 関節内骨折や解剖学的整復が必要な複雑粉砕骨折に。可能ならロッキングプレート使用(骨粗鬆症的なウサギ骨での把持力向上)。【保存的管理(安定した不完全/若木骨折のみ)】: パッド入りスプリント包帯×4-6週間。包帯をq3-5日で確認(圧迫壊死リスク — ウサギ皮膚は薄く脆弱)。【術後管理】: ケージレスト(小さなエンクロージャー、固体床面)×4-6週間。滑り止め付き柔らかい寝具(タオル、フリース — 金網禁止)。メロキシカム0.5-1.0 mg/kg PO q24h×7-14日間。ブプレノルフィン0.01-0.05 mg/kg SC q6-8h(初期3-5日間)。【GI stasis予防(重要 — 術後イレウスが最大の死因)】: 覚醒直後からチモシー牧草を提供。6時間以内に摂食しなければCritical Careシリンジ給餌q4-6h。メトクロプラミド0.5-1.0 mg/kg SC q6-8h。シサプリド0.5-1.0 mg/kg PO q8-12h。ウサギの術前絶食は1-2時間を超えない。【抗菌薬(開放骨折時)】: エンロフロキサシン10-20 mg/kg PO/SC q12h+メトロニダゾール20 mg/kg PO q12h(嫌気性菌用)。経口ペニシリン系は絶対禁忌。X線再検査は4週と8週。ESFピン除去は固定後6-8週。【合併症】: 癒合不全(Ca/ビタミンD欠乏時は補充)、骨髄炎(培養+長期抗菌薬)、ピン迷入、骨折関連肉腫(まれ)。参考文献: Harcourt-Brown (2002); Quesenberry & Carpenter (2012); Jekl & Redrobe (2013) Vet Clin Exot Anim. [ECVN:Block] 【補助療法オプション — Equine & Canine Vet Nutrition (caninevet.jp)】 • MSM+アミノコンプリート (MSM+必須アミノ酸(BCAA中心)): 組織修復・筋肉維持・肝腎栄養サポート ※MSM+アミノコンプリート: 重度肝・腎不全は蛋白負荷に留意
予防
予防には適切な飼育管理(適切な食事・清潔な環境・最適な温湿度);定期的な獣医師の健康診断;新規動物の検疫;ストレス軽減;種特異的予防措置が含まれる
予後
外傷の予後は損傷の重症度と合併症の有無に依存する。軽度外傷は適切な創傷管理で予後良好。重度外傷、多発骨折、脊髄損傷は予後慎重〜不良。早期治療と適切な疼痛管理が回復を促進する。
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