膝蓋骨脱臼
概要
ウサギにおける先天性の筋骨格系疾患。膝蓋骨脱臼は適切な診断と治療管理が重要である。早期発見と適切な介入が予後改善の鍵となる。
主な症状
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臨床徴候
ウサギにおける膝蓋骨脱臼の臨床徴候は罹患部位と病態の急性/慢性により異なる。急性外傷: 跛行(非荷重)・腫脹・疼痛・変形(骨折・脱臼)。慢性変性: 起立困難・運動不耐性・跛行(運動後悪化・寒冷で悪化)・関節腫脹(OA等)。発達性異常: 子犬期から軽度跛行(股関節・肘関節形成不全)。感染性: 発熱を伴う関節腫脹・疼痛(敗血症性関節炎)。
原因
ウサギにおける先天性の筋骨格系疾患。膝蓋骨脱臼は適切な診断と治療管理が重要である。早期発見と適切な介入が予後改善の鍵となる。
病態生理
膝蓋骨脱臼はウサギにおける外傷性・機械的疾患である。罹患組織の構造的耐性を超える外部機械的力により組織損傷が生じる。損傷は出血、浮腫、疼痛を伴う急性炎症カスケードを惹起する。重症度に応じて、血管供給の途絶による虚血、環境微生物による汚染、進行性の組織壊死が生じうる。治癒過程は止血、炎症、増殖、リモデリングの各段階を経る。
診断
後肢跛行・スキップ歩行・座位姿勢異常で疑う。整形外科的触診で膝蓋骨の内方/外方への脱臼と自然復位の有無を評価し、グレード分類(I-IV)を行う。X線で膝蓋骨の位置・大腿骨滑車溝の深度・脛骨粗面の偏位を確認する。ウサギの後肢は強力な筋肉を持つため、保定時の蹴り動作による腰椎骨折との鑑別にX線撮影(脊椎含む)を行う。CBC・血液生化学で基礎疾患を除外する。栄養性骨疾患(Ca/P不均衡)が素因となる場合があり、食餌歴も確認する。
治療
グレードI-II(間欠的/整復可能): 保存的管理 — 体重管理(肥満は悪化要因)、運動制限(滑り止め床材の提供、滑りやすい表面を避ける)、低いプラットフォームでの環境エンリッチメント。疼痛管理: 急性増悪時にメロキシカム 0.3-1.0 mg/kg PO/SC q24h。グルコサミン/コンドロイチンサプリメント(ウサギでのエビデンスは限定的、犬から外挿 — グルコサミン 20-25 mg/kg PO q24h)。グレードIII-IV(恒久的脱臼/非整復性): 全身麻酔下で外科的矯正 — 滑車溝形成術(滑車溝を深くする)、外側支帯縫縮術、必要に応じて脛骨粗面転位術。ウサギ特異的考慮: 強力な後肢筋肉のため、膝蓋骨脱臼は著明な跛行と荷重変化による二次性飛節びらん(ソアホック)を引き起こしうる。周術期抗菌薬: エンロフロキサシン 10-20 mg/kg SC(経口ペニシリンは絶対禁忌)。術後: ブプレノルフィン 0.01-0.05 mg/kg SC q6-8h × 48-72時間 + メロキシカム 0.3-1.0 mg/kg PO/SC q24h × 14日。GI stasis予防: 覚醒直後からチモシー牧草、食欲不振時は強制給餌。術後4-6週間は活動制限(軟らかい足場の限定空間)。リハビリテーション: 術後5-7日から穏やかな関節可動域運動開始。対側足の飛節びらんを監視。6週および12週にX線再検査。参考文献: Harcourt-Brown (2002), Quesenberry & Carpenter (2020).
予防
ウサギにおける膝蓋骨脱臼の予防は適正体重・適切な栄養・適度な運動が3本柱。発達性疾患予防: 成長期の過剰カロリー回避、適切なカルシウム/リン比、過度な運動の回避。OA予防: 適正体重維持、関節サプリメント(グルコサミン・コンドロイチン・MSM)、低衝撃運動。骨折・外傷予防: 安全な飼育環境、リード散歩、滑床対策。代謝性骨疾患予防: 適切な栄養とUV-B(爬虫類・若齢動物)。
予後
膝蓋骨脱臼の予後: 骨折は適切な固定で予後良好。変性性疾患は進行性だが疼痛管理でQOL維持可能。若齢動物は回復力が高い。
関連する薬品
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