ブドウ球菌感染症
概要
黄色ブドウ球菌による感染で、膿瘍、足底皮膚炎、乳腺炎、敗血症を引き起こします。
主な症状
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臨床徴候
ウサギにおけるブドウ球菌感染症の臨床徴候は感染部位と病原体特性により多様だが、共通所見として発熱・元気消失・食欲不振・体重減少が認められる。局所感染では発赤・腫脹・疼痛・排膿を、全身感染では脱水・敗血症・多臓器不全に進展しうる。幼若・高齢・免疫抑制状態は重症化リスクが高く、早期介入が予後改善に直結する。
原因
ウサギにおけるブドウ球菌感染症の原因: 黄色ブドウ球菌による感染で、膿瘍、足底皮膚炎、乳腺炎、敗血症を引き起こします。
病態生理
ウサギのブドウ球菌感染症はStaphylococcus aureus(最多)による皮膚・軟部組織・全身性感染。ウサギの膿はS. aureusのcoagulase産生により厚い被膜に包まれた乾酪様(クリーム状)で、犬猫の液状膿とは異なり抗菌薬の浸透性がきわめて不良。臨床型:(1) 皮下膿瘍(顎下、歯根膿瘍からの波及が最多)、(2) 足底潰瘍(sore hocks/pododermatitis — 硬い床面+過体重)、(3) 乳腺炎(泌乳期雌)、(4) 菌血症→敗血症。歯根膿瘍はウサギの不正咬合(常生歯の過成長)の最も重篤な合併症 (Harcourt-Brown F. Textbook of Rabbit Medicine, 2nd ed, 2014)。
診断
皮膚膿瘍・足底潰瘍(ソアホック)・乳腺炎など多様な病態を呈する。病変部のスワブ培養・感受性試験でStaphylococcus aureus を同定し、MRSA の可能性も評価する。FNA細胞診で変性好中球とグラム陽性球菌を確認する。CBC では好中球増多・左方移動を認めることがある。深部膿瘍ではX線・超音波で膿瘍腔の範囲を評価し、歯根膿瘍との関連が疑われる場合は頭部X線・CTで不正咬合・歯根病変を精査する。
治療
ウサギにおけるブドウ球菌感染症: ① 必ず培養感受性試験を実施(MRSP/MRSA増加中)。② Methicillin感受性株: アモキシシリン/クラブラン酸 12.5-25 mg/kg PO q12h、セファレキシン 22-30 mg/kg PO q8-12h、クリンダマイシン 5-10 mg/kg PO q12h。③ MRSP/MRSA陽性: ドキシサイクリン 5-10 mg/kg PO q12h、クロラムフェニコール 50 mg/kg PO q8h (再生不良性貧血リスクのため家族曝露注意)、アミカシン 15 mg/kg IM q24h(要TDM)。④ 膿瘍は外科的排膿+局所洗浄が抗菌薬単独より有効。⑤ 皮膚病変はクロルヘキシジン 2-4% シャンプー q3-7日 + 抗菌軟膏。⑥ 再発例ではバイオフィルム形成と感染源(イヤホン・寝具・ハウス)の除去/消毒を見直す。
予防
ブドウ球菌感染症の予防には適切な衛生管理・消毒、利用可能なワクチン接種、創傷の迅速な処置、ストレス軽減、適切な換気、感染動物の隔離が含まれる。
予後
ブドウ球菌感染症の予後: 適切な抗菌薬療法で多くが治癒可能。慢性・深在性感染は長期治療が必要。敗血症は予後要注意。
関連する薬品
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