腺胃潰瘍
概要
AGY、重金属、特発性原因によるセキセイインコの前胃粘膜潰瘍。
主な症状
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臨床徴候
インコにおける腺胃潰瘍の臨床徴候は消化管病変の部位と病態により異なる。上部消化管: 嘔吐・吐血・食欲不振。小腸: 下痢(小腸性: 量多・回数少・体重減少を伴う)・嘔吐・腹痛。大腸: 下痢(大腸性: 量少・回数多・粘液・血便・テネスムス)。急性腹症: 強い腹痛・嘔吐・ショック徴候・腹部触診で腫瘤や緊張感(GDV・腸捻転・腸閉塞)は緊急評価が必要。
原因
インコにおける前胃潰瘍(セキセイインコ)の原因: AGY、重金属、特発性原因によるセキセイインコの前胃粘膜潰瘍。
病態生理
腺胃(前胃)粘膜のバリアが破綻して潰瘍を形成する病態。誘因として真菌(メガバクテリア=Macrorhabdus ornithogaster)・細菌感染、異物による機械的損傷、毒素、ストレス、腫瘍、前胃拡張症(PDD)などがある。粘膜傷害により吐出・食欲不振・黒色便(メレナ=消化管出血)・進行性の削痩を生じ、出血が高度になると貧血・虚脱に至る。穿孔すれば腹膜炎・敗血症となる。鳥は症状を隠すため診断が遅れやすく、内視鏡・便検査・抗真菌/抗潰瘍治療を要する消化器疾患である。
診断
吐血・黒色便(消化管出血の徴候)の有無を確認。X線で腺胃壁不整・腺胃拡張を評価。造影X線で粘膜面の潰瘍像を描出。そのう液・糞便のグラム染色でMacrorhabdus ornithogasterを検索。内視鏡で腺胃粘膜の潰瘍・びらんを直視下に確認し生検。CBC で貧血を評価。生化学でAST・LDH・総蛋白を測定。ABV-PCRでPDDを鑑別。インコ類では前胃潰瘍はMegabacteriosis(AGY)が最も多い原因であり、セキセイインコの嘔吐・体重減少・未消化種子排泄が典型的症状である。
治療
まず重金属中毒(亜鉛/鉛 — セキセイインコで最も一般的な原因)を除外: 重金属パネルとレントゲンで金属密度を確認。陽性の場合: CaEDTA 30-50 mg/kg IM q12h 3-5日間。胃粘膜保護: スクラルファート25 mg/kg PO q8h(粘膜被覆、他の薬の1時間前に投与)。プロトンポンプ阻害薬: オメプラゾール1-2 mg/kg PO q24h(鳥類データ限定だが経験的に使用)。メガバクテリア(Macrorhabdus ornithogaster)疑い: アムホテリシンB 100 mg/kg PO q12h 10-30日間(経管投与)。細菌性: エンロフロキサシン15 mg/kg PO/IM q12hまたはアモキシシリン-クラブラン酸125 mg/kg PO q12h。PDD/ABV関連: 治療選択肢限定(ABVの項参照)。支持療法: 消化しやすい食事(Harrison's Recovery Formulaを経管給餌)、メロキシカム0.5 mg/kg PO q12-24hで疼痛/炎症管理。黒色便はGI出血を示唆 — PCVをモニタリング。参考文献: Phalen 2014, Tomaszewski et al. 2003。
予防
前胃潰瘍(セキセイインコ)の予防には有毒物質へのアクセス制限・除去、ペット安全な製品の使用、環境からの有毒植物の除去、薬剤・化学物質の適切な保管、屋外アクセス時の監視、種固有の中毒に関する飼い主教育が必要である。
予後
前胃潰瘍(セキセイインコ)の予後: 早期治療で多くは良好。定期モニタリングで管理可能。
関連する薬品
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