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インコ (Parakeet) 循環器 重度

前胃拡張症神経型

Proventricular Dilatation Disease – Neurological Form / 前胃拡張症神経型

概要

ボルナウイルス感染の中枢神経症状で、運動失調、痙攣、進行性神経学的悪化を引き起こす。

主な症状

頭部傾斜 無気力 平衡失調 神経症状 痙攣 振戦

原因

腫瘍の発生には遺伝的素因、慢性炎症、ウイルス感染、化学物質への長期的曝露、ホルモン異常、免疫監視機構の破綻、紫外線や放射線などの環境因子が複合的に関与する。加齢に伴うDNA修復能の低下と細胞増殖制御の異常が主要な促進因子である。品種特異的な好発傾向が多数報告されており、早期発見が予後改善に直結する。

病態生理

腫瘍の病態生理は正常細胞の悪性転換から始まる。癌遺伝子の活性化と癌抑制遺伝子の不活化により、細胞増殖シグナルの恒常的活性化、アポトーシス回避、血管新生の誘導、浸潤・転移能の獲得が段階的に進行する。腫瘍微小環境では免疫逃避機構が構築され、腫瘍関連マクロファージや制御性T細胞が抗���瘍免疫を抑制する。傍腫瘍症候群はサイトカインやホルモン様物質の異所性産生による。

治療

鳥ボルナウイルス(ABV)の根治療法は存在しない。セレコキシブ10-20 mg/kg PO q12hが第一選択治療(COX-2選択的阻害薬がPDDの特徴的病変であるリンパ形質細胞性神経節神経炎を軽減)。代替NSAID: メロキシカム0.5-1 mg/kg PO q12-24h(COX-2選択性は低いが入手容易)。急性痙攣: ミダゾラム0.5-1 mg/kg IM/INで即時制御。ガバペンチン10-15 mg/kg PO q8-12hで神経因性疼痛と痙攣予防。支持療法: 前胃運動障害時はクロップチューブで消化しやすいペレットマッシュを強制給餌、加温SC輸液、補助加温28-30℃。体重を毎日モニタリング—進行性消耗が特徴的。嗉嚢生検でリンパ形質細胞性神経節神経炎を示せば診断確定(前胃生検より低侵襲)。羽毛/総排泄腔スワブのPCR陽性はABV確認するが疾患確認ではない(無症候性キャリアが存在)。他の鳥から隔離—羽毛粉塵と糞便で水平伝播。神経型は消化器型より予後不良。多くの個体はセレコキシブ長期投与で安定するが中止時に再発する。 [ECVN:Block] 【補助療法オプション — Equine & Canine Vet Nutrition (caninevet.jp)】 • CPパウダー (プレバイオ+プロバイオ+サイリウム): 腸内細菌叢正常化・腸管バリア強化・腸腎連関 ※CPパウダー: 完全腸閉塞は禁忌

予防

定期的な健康診断と早期発見のためのスクリーニング検査(触診・画像診断・血液検査)が最も重要な予防策である。未避妊・未去勢動物ではホルモン依存性腫瘍の予防のため早期の避妊去勢手術を推奨する。発癌物質への曝露回避、適正体重の維持、抗酸化物質を含むバランスの取れた食事、紫外線過剰曝露の回避が予防に寄与する。

予後

神経型は予後不良。治療にもかかわらず多くの個体が進行性に悪化。セレコキシブ長期投与で安定する例もあるが、永続的な神経学的後遺症が一般的。消化器型はやや良好な予後。

関連する薬品

💊 メロキシカム 💊 ガバペンチン 💊 ミダゾラム

※ 薬品辞書で詳細な投与量・副作用情報を確認できます

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