前胃閉塞
概要
異物や乾固した食物による前胃の閉塞で、嘔吐と削痩を引き起こす。
主な症状
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臨床徴候
インコにおける前胃閉塞の臨床徴候は消化管病変の部位と病態により異なる。上部消化管: 嘔吐・吐血・食欲不振。小腸: 下痢(小腸性: 量多・回数少・体重減少を伴う)・嘔吐・腹痛。大腸: 下痢(大腸性: 量少・回数多・粘液・血便・テネスムス)。急性腹症: 強い腹痛・嘔吐・ショック徴候・腹部触診で腫瘤や緊張感(GDV・腸捻転・腸閉塞)は緊急評価が必要。
原因
インコにおける前胃閉塞の原因: 異物や乾固した食物による前胃の閉塞で、嘔吐と削痩を引き起こす。
病態生理
腺胃(前胃)または腺胃-筋胃移行部が、異物(床材・繊維・玩具片・金属)、過形成、腫瘍、あるいは前胃拡張症(PDD)による運動麻痺で閉塞する。内容物が通過できず腺胃が拡張・貯留して、吐出・未消化便・進行性の削痩を生じる。摂取不良と脱水が進み、メガバクテリア(Macrorhabdus ornithogaster)や細菌の二次増殖を伴うことがある。鳥は不調を隠すため発見時に重度化していることが多く、造影X線と原因検索を要する消化器疾患である。
診断
X線で腺胃(前胃)の著明な拡張・砂嚢内容物の異常蓄積を検出。造影X線で消化管通過時間の遅延を確認。そのう触診で上部消化管の食滞を評価。CBC で白血球増加を確認。生化学でAST・LDH上昇を評価。糞便検査でMacrorhabdus・寄生虫を検索。ABV-PCRでPDD(前胃拡張症の主因)を鑑別。インコ類では前胃食滞はPDD・Megabacteriosis・異物摂取・運動低下が主要原因であり、セキセイインコの嘔吐・体重減少・未消化種子排泄が典型的臨床徴候。砂嚢機能低下のグリットの過剰摂取も鑑別する。
治療
単純X線撮影(前胃拡張、不透過性異物)とバリウム造影検査(消化管通過遅延 — セキセイインコの正常通過<90分;閉塞では>4時間滞留)で診断確認。まず内科的管理: クロップチューブで温生理食塩水(37-38℃)による洗浄で閉塞物を軟化 — 5-10 mL/kgの温生理食塩水をそ嚢に注入、穏やかなマッサージ、吸引;数回反復。消化管運動促進: メトクロプラミド0.5-1 mg/kg PO/IM q8-12hで消化管運動を刺激;シサプリド0.5-1 mg/kg PO q8-12hが代替。クロップチューブで鉱油0.5-1 mL/kgを潤滑剤として投与(慎重に使用 — 誤嚥リスク;意識低下した鳥では強制しない)。水分補給にSC輸液(加温LRS)維持量。異物(グリット、床材、トイ片)の場合: 接近可能なら嗉嚢切開アプローチで内視鏡的除去;内科管理で対応困難な閉塞物にはイソフルラン麻酔下で外科的前胃切開 — 小型体サイズのためセキセイインコではハイリスク手術。基礎原因の除外: PDD/ABV(前胃拡張症 — そ嚢/前胃のリンパ形質細胞性神経節神経炎の生検)、重金属中毒(鉛/亜鉛濃度)、Macrorhabdus ornithogaster(メガバクテリア — 糞便湿標本)。炎症/疼痛にメロキシカム0.5-1 mg/kg PO q12-24h。減圧後の補助給餌: 消化管運動回復までq4-6hで液状フォーミュラをクロップチューブ投与。
予防
前胃閉塞の予防: 定期健診。適切な栄養。ストレス軽減。早期受診。
予後
前胃閉塞の予後: 早期治療で多くは良好。定期モニタリングで管理可能。
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