大動脈破裂
概要
動脈硬化に伴う大動脈破裂による急性出血。
主な症状
※ 症状をクリックすると、その症状を示すインコの他の疾患を確認できます
臨床徴候
インコにおける大動脈破裂の臨床徴候は外傷部位と重症度により異なる。骨折: 跛行(非荷重)・腫脹・捻髪音・変形・疼痛。裂傷: 出血・組織欠損・感染リスク。内臓損傷: ショック徴候・腹部緊張・呼吸困難(横隔膜ヘルニア・気胸)。脳挫傷: 意識低下・瞳孔異常・運動失調・発作。脊椎損傷: 麻痺・反射異常・排尿障害。重度外傷では多発外傷の評価と緊急安定化が予後を左右する。
原因
インコにおける大動脈破裂の原因: 動脈硬化に伴う大動脈破裂による急性出血。
病態生理
大動脈破裂はインコにおける外傷性・機械的疾患である。罹患組織の構造的耐性を超える外部機械的力により組織損傷が生じる。損傷は出血、浮腫、疼痛を伴う急性炎症カスケードを惹起する。重症度に応じて、血管供給の途絶による虚血、環境微生物による汚染、進行性の組織壊死が生じうる。治癒過程は止血、炎症、増殖、リモデリングの各段階を経る。
診断
突然死の剖検で大動脈壁の破裂と血胸・心タンポナーデを確認し確定診断。生前診断は極めて困難。心エコーで心嚢液貯留(心タンポナーデ)を検出。胸部X線で心陰影拡大・胸水を評価。CBC・生化学でアテローム性動脈硬化のリスク因子(高コレステロール・高トリグリセリド)を測定。インコ類では大動脈破裂はアテローム性動脈硬化症の終末合併症として発生し、種子食偏重・運動不足・甲状腺機能低下が基盤リスクとなる。突然死症例の剖検で大動脈のアテローマ変化と破裂部位の確認が診断に必須である。
治療
通常は致死的 — セキセイインコの大動脈破裂は突然死または急性心血管虚脱として発症。診断は通常剖検時。初期イベントを生存した場合(部分的/被包性破裂 — 極めてまれ): IO(IVではない — 小さすぎる)からの積極的輸液蘇生、酸素補給、保温(28-30°C)。セキセイインコでは体格的に外科的修復は不可能。緩和的安定化のみ。基礎原因: 動脈硬化(高脂肪シード食のセキセイインコに極めて多い — 高齢鳥での有病率30%以上)。予防が唯一の実用的戦略: ペレット食への転換(低脂肪/コレステロール)、運動量増加(大きなフライトケージ)、高脂肪シード削減(ヒマワリ、紅花)。動脈硬化は脳卒中、腎不全、心疾患の素因にもなる。リスク因子: シードのみの食事、肥満、甲状腺機能低下症、雌、加齢、運動不足。高齢セキセイインコ(5歳以上)では血中コレステロール/中性脂肪の定期健診。参考文献: Beaufrère et al. 2013, Fricke et al. 2009。
予防
大動脈破裂の予防には安全で種に適した飼育環境の整備、鋭利物・危険物の除去、適切な取り扱い技術、他の動物との接触時の監視、温度管理、落下防止策が含まれる。
予後
大動脈破裂の予後: 早期治療で多くは良好。定期モニタリングで管理可能。
循環器の他の疾患(インコ)
VetDictでインコの鑑別診断を行う
症状チェッカーを使う関連する疾患
VetDict は獣医師(DVM)が開発した臨床支援ツールです。