卵黄性腹膜炎慢性型
概要
反復する異所性排卵による体腔内の線維素性癒着を伴う慢性炎症。
主な症状
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臨床徴候
インコにおける卵黄性腹膜炎慢性型の臨床徴候は罹患臓器と腫瘍の種類により多様。一般的所見: 進行性の腫瘤形成・体重減少・食欲不振・元気消失・貧血。体表腫瘤では触知可能な腫脹・疼痛を、内臓腫瘍では腹部膨満・嘔吐・下痢・呼吸困難・リンパ節腫大などの非特異的症状を呈する。傍腫瘍症候群として高カルシウム血症(リンパ腫・肛門周囲腺癌)や低血糖(インスリノーマ)を合併することがある。
原因
インコにおける卵黄性腹膜炎慢性型の原因: 反復する異所性排卵による体腔内の線維素性癒着を伴う慢性炎症。
病態生理
インコにおける卵黄性腹膜炎慢性型の病態生理は生殖器の構造/機能異常およびホルモン環境の変化により展開する。子宮蓄膿症ではプロゲステロン優位下の子宮内膜過形成・嚢胞性変化に細菌感染が重畳し、内毒素血症・敗血症・急性腎傷害に進展する。難産では胎子・産道・娩出力の異常により分娩停止→胎子仮死・子宮破裂・低カルシウム血症を生じる。妊娠中毒・産褥疾患では代謝需要急増に対する恒常性破綻を来す。性ホルモン依存性疾患では内分泌刺激の持続が組織増殖・腫瘍化を促進する。
診断
慢性的な腹部膨満・食欲低下・体重減少の経過を聴取。腹部触診で膨満を確認。X線で持続的な腹腔内液貯留・卵管壁肥厚を検出。超音波で腹腔内液の性状と臓器変化を経時的に評価。腹腔穿刺液の細胞診・培養で慢性炎症パターンと二次感染を評価。CBC で慢性炎症所見を確認。生化学でAST・LDH・総蛋白変動を評価。インコ類では慢性卵黄性腹膜炎は急性型が治療に反応せず遷延化した場合に発症し、腹腔内癒着・肉芽腫形成を伴う。ホルモン療法(デスロレリン)による産卵抑制と外科的卵管摘出が根治的治療である。
治療
デスロレリン4.7 mg SCインプラントが排卵抑制と異所性卵黄沈着防止の主要治療。二次的細菌性腹膜炎に抗菌薬: エンロフロキサシン15 mg/kg PO q12h+メトロニダゾール20-50 mg/kg PO q12h(体腔内感染には嫌気性菌カバーが重要)。メロキシカム0.5-1 mg/kg PO q12-24hで慢性炎症と疼痛管理。有意な滲出液が気嚢を圧迫する場合は腹腔穿刺(25-27G針)で体腔液ドレナージ—液体を細胞診と培養に提出。卵管子宮摘出術が根治的治療だがセキセイインコでは外科的リスクが高い(麻酔に耐えられるほど安定している場合のみ推奨)。光周期調整: 明期10-12時間/暗期12-14時間で繁殖衝動を低減。巣材、鏡、該当する場合はつがい相手を撤去。栄養サポート: 食欲不振時はクロップチューブ給餌。WBC、フィブリノーゲン、体重を毎週モニタリング。慢性癒着は永久的な体腔内臓器変位を引き起こす—症状を長期的に管理。予後要注意、多くの個体は6-12ヶ月毎のデスロレリンインプラント交換が生涯必要。
予防
卵黄性腹膜炎慢性型の予防には適切な衛生管理・消毒、利用可能なワクチン接種、創傷の迅速な処置、ストレス軽減、適切な換気、感染動物の隔離が含まれる。
予後
卵黄性腹膜炎慢性型の予後: 早期治療で多くは良好。定期モニタリングで管理可能。
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