卵黄性腹膜炎
概要
卵管破裂等により腹腔内に遊離した卵黄物質が腹膜炎を引き起こす。
主な症状
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臨床徴候
インコにおける卵黄性腹膜炎の臨床徴候は罹患臓器と腫瘍の種類により多様。一般的所見: 進行性の腫瘤形成・体重減少・食欲不振・元気消失・貧血。体表腫瘤では触知可能な腫脹・疼痛を、内臓腫瘍では腹部膨満・嘔吐・下痢・呼吸困難・リンパ節腫大などの非特異的症状を呈する。傍腫瘍症候群として高カルシウム血症(リンパ腫・肛門周囲腺癌)や低血糖(インスリノーマ)を合併することがある。
原因
インコにおける卵黄性腹膜炎の原因: 卵管破裂等により腹腔内に遊離した卵黄物質が腹膜炎を引き起こす。
病態生理
卵黄性腹膜炎はインコにおける外傷性・機械的疾患である。罹患組織の構造的耐性を超える外部機械的力により組織損傷が生じる。損傷は出血、浮腫、疼痛を伴う急性炎症カスケードを惹起する。重症度に応じて、血管供給の途絶による虚血、環境微生物による汚染、進行性の組織壊死が生じうる。治癒過程は止血、炎症、増殖、リモデリングの各段階を経る。
診断
腹部触診で膨満・圧痛を確認。X線で腹腔内液貯留・卵管異常・遊離卵黄影を検出。超音波で腹腔内液の性状と卵管壁肥厚を評価。腹腔穿刺で黄色混濁液を採取し細胞診・培養を実施。CBC で白血球著増・ヘテロフィル左方移動を確認。生化学でAST・LDH・総蛋白上昇・低アルブミンを評価。インコ類では卵黄性腹膜炎は排卵された卵黄が卵管に取り込まれず腹腔内に遊離して炎症を引き起こす疾患であり、慢性産卵雌のセキセイインコで好発する。E. coliによる二次感染で敗血症に進行しうる緊急疾患である。
治療
緊急安定化: 加温SC/IO輸液(50-100 mL/kg/日)、保温(28-30°C)、呼吸困難時は酸素補充。広域抗菌薬を直ちに開始—エンロフロキサシン15 mg/kg PO/IM q12h+メトロニダゾール20-50 mg/kg PO q12h(腹膜汚染に対する嫌気性菌カバー)。メロキシカム0.5-1 mg/kg PO/IM q12-24hで疼痛・腹膜炎症管理。有意な滲出液が気嚢を圧迫する場合は腹腔穿刺(診断的細胞診+治療的排液)。麻酔に耐えうる状態になれば体腔探索+卵管子宮摘出が根治的—遊離卵黄物質を除去し加温生理食塩水で体腔洗浄。回復後にデスロレリン4.7 mgインプラントSCで将来の排卵防止。そ嚢チューブで強制給餌(Harrison's Recovery Formula)。PCV/TP、体重を毎日モニタリング。予後は要注意—積極的治療でも敗血症リスクにより死亡率30-50%。
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予防
卵黄性腹膜炎の予防には安全で種に適した飼育環境の整備、鋭利物・危険物の除去、適切な取り扱い技術、他の動物との接触時の監視、温度管理、落下防止策が含まれる。
予後
卵黄性腹膜炎の予後: 早期治療で多くは良好。定期モニタリングで管理可能。
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