完全房室ブロック
概要
房室結節/His束の完全伝導途絶→心房・心室が独立(AV解離)→心室補充調律20-40 bpm→心拍出量低下→失神(Adams-Stokes発作)。永久ペースメーカー植込みが唯一の確定的治療。
主な症状
原因
特発性伝導路線維化(最多)、DCM、ライム心炎(ボレリア)、高カリウム血症(>7 mEq/L)、薬物毒性(ジゴキシン・β遮断薬・ジルチアゼム・メデトミジン)、腫瘍浸潤、心筋炎。コッカースパニエルに素因あり。
病態生理
房室結節またはHis束の完全な伝導途絶→心房と心室が独立して興奮(AV解離)→心室補充調律(escape rhythm: 20-40bpm)→著明な徐脈→心拍出量低下→失神(Adams-Stokes発作)・運動不耐性・うっ血性心不全。ECGでP波とQRS波が完全に無関係(AV解離)。
治療
永久ペースメーカー植込み(経静脈型:内頸静脈経由で右室リード留置が金標準;外心膜型:代替)。緊急安定化:アトロピン0.04 mg/kg IV(特発性AVBには効果少:迷走神経性との鑑別に使用)。ドパミン5-10 ug/kg/min CRI、イソプロテレノール0.04-0.08 ug/kg/min CRI(一時的変時薬)。不安定例:経静脈一時ペーシング。基礎疾患治療:ライム心炎(ドキシサイクリン)、高K血症補正。術後6ヶ月再診;ペースメーカーポケット確認;MRI回避。
予防
コッカースパニエルの定期心臓モニタリング。ライム病予防(マダニ対策)。AV結節ブロック薬(ジゴキシン・ジルチアゼム・β遮断薬)の用量管理。
予後
永久ペースメーカー植込みで予後は優良(生存期間中央値>4年、同年齢対照と同等)。ペースメーカーなし:不良(数ヶ月・突然死リスク)。ライム心炎関連AVB:抗菌薬で自然回復することが多い(2-6週)。
関連する薬品
※ 薬品辞書で詳細な投与量・副作用情報を確認できます
循環器の他の疾患(犬)
VetDictで犬の鑑別診断を行う
症状チェッカーを使う関連する疾患
VetDict は獣医師(DVM)が開発した臨床支援ツールです。