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犬 (Dog) その他 軽度

運動誘発性虚脱(EIC)

Exercise-Induced Collapse (EIC) / 運動誘発性虚脱(EIC)

概要

ラブラドールに多い遺伝性疾患で、激しい運動後に筋力低下と虚脱を引き起こします。

主な症状

過度のパンティング 無気力 動きたがらない こわばり

原因

正確な病因は症例により異なるが、遺伝的素因、環境要因(温度・湿度・衛生状態の不適切な管理)、感染性病原体への曝露、栄養バランスの偏り、免疫系の調節異常、加齢に伴う組織変化が単独または複合的に関与する。過密飼育によるストレス、不適切な飼育管理、予防医療の不備が疾患リスクを増大させる背景因子として認識されている。

病態生理

本疾患の病態生理は原因因子による組織障害と宿主の応答反応の相互作用に基づく。初期の組織損傷はDAMPsの放出と自然免疫系の活性化を介して炎症カスケードを惹起する。急性炎症が適切に制御されれば修復が進行するが、持続する場合は慢性炎症と線維化に移行する。臓器機能の代償機構は一時的に恒常性を維持するが、長��的には代償不全とシステム破綻に至る可能性がある。

治療

【運動誘発性虚脱(EIC)の治療】■好発犬種: ラブラドールレトリーバー(最多)、チェサピークベイレトリーバー、カーリーコーテッドレトリーバー、ペンブロークウェルシュコーギー、ブービエデフランダース。■診断: DNM1遺伝子変異検査(常染色体劣性遺伝、E/E=発症、E/N=キャリア)。除外: 心疾患、代謝性疾患、低血糖、横紋筋融解症。■急性エピソード管理: 即時運動中止。冷却(体温が上昇している場合)。安静。通常5-25分で自然回復。重度エピソード: 輸液、酸素。■長期管理: 運動強度の制限(最重要)。高興奮状態での激しい運動を避ける。5-10分以上の全力運動を回避。暑熱環境での運動を避ける。■ドッグショーへの影響: コンフォメーションショーでは通常問題なし(低強度)。フィールドトライアル・アジリティ・フライボールでリスク。ショーリングでの興奮管理。繁殖計画(遺伝子検査必須、キャリア×キャリアの交配回避)。■サプリメント: L-カルニチン。CoQ10。ω-3脂肪酸。■参考文献: Patterson 2008; Minor 2011; Taylor 2008。■予後: 運動管理で良好。致死的エピソードは稀だが報告あり。遺伝子検査による繁殖計画が予防の鍵。

予防

定期的な健康診断、適切な栄養管理、清潔で安全な飼育環境の維持が基本的予防策である。種特異的な飼育要件の理解と遵守、適度な運動、ストレス軽減、新規動物の検疫が重要である。早期発見・早期治療のための飼い主教育と獣医師との定期的な相談が疾患の重症化予防に不可欠である。予防医学的アプローチによる包括的な健康管理プログラムの策定を推奨する。

予後

予後は疾患の種類、重症度、診断時期、治療への反応性、個体の全身状態により異なる。早期発見と適切な治療介入により多くの疾患で良好な転帰が期待できる。慢性疾患では長期的な管理計画の策定と飼い主のコンプライアンスが予後に大きく影響する。定期的な経過観察と治療計画の再評価が最適な治療成績の達成に不可欠である。合併症の予防と生活の質の維持が長期管理の目標である。

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