進行性網膜萎縮症(PRA)
概要
網膜が進行性に変性する遺伝性疾患群です。視力が徐々に低下し最終的に失明に至ります。
主な症状
原因
常染色体劣性遺伝が多い。品種ごとに異なる遺伝子変異:PRCD(プードル・コッカースパニエル・ラブラドール)、PDE6B(アイリッシュセッター)、CNGB1(パピヨン)等。50以上の犬種で報告。遺伝子検査パネルが市販(OptiGen・Embark等)。
病態生理
網膜視細胞(桿体→錐体の順)の進行性変性・消失→暗所視障害(夜盲)→明所視も障害→完全失明。早発型(rod-cone dysplasia:生後数ヶ月で発症)と遅発型(progressive rod-cone degeneration:3〜5歳で発症)に大別。ERG(網膜電図)で早期診断可能。二次性白内障の合併が高率。
治療
根治療法は存在しない。進行性の網膜変性で最終的に失明。環境適応:家具の配置を変えない、音声コマンドのトレーニング、香りマーカー。抗酸化サプリメント(ビタミンE、ルテイン、ゼアキサンチン)は進行遅延の可能性(エビデンス限定的)。白内障の続発に注意。遺伝子検査が最も重要 — 30以上のPRA関連遺伝子変異が特定。繁殖プログラムでの遺伝子スクリーニングが予防の鍵。好発:コッカースパニエル、ラブラドール、トイプードル。 [ECVN:Block] 【補助療法オプション — Equine & Canine Vet Nutrition (caninevet.jp)】 • NMNミトコンドリアアシスト (NMN+α-リポ酸+システイン+プロバイオティクス): 細胞エネルギー代謝・サーチュイン活性化・抗老化
予防
繁殖前のDNA検査(品種別のPRA遺伝子パネル)による繁殖管理が最も有効。キャリア同士の交配回避。定期的な眼科検診(CERF/OFA)。治療法はないが、犬は他の感覚で適応し、環境の一貫性を保つことでQOLを維持できる。
予後
予後は異常の種類と重症度により著しく異なる。軽度の形態異常は外科的矯正により正常な生活が可能であるが、重度の多臓器奇形では生存率が低い。早期診断と適切な介入により機能的予後を改善できる症例が多い。遺伝性疾患では進行性の経過をたどるものもあり、長期的なモニタリングと支持療法が生活の質の維持に重要である。
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