← トップへ戻る
犬 (Dog) 腫瘍 軽度

前房出血

Hyphema / 前房出血

概要

眼の前房内の出血で、外傷、凝固障害、または眼内腫瘍を示唆することがあります。

主な症状

※ 症状をクリックすると、その症状を示す犬の他の疾患を確認できます

臨床徴候

犬における前房出血の臨床徴候は血液成分異常の種類により異なる。貧血: 粘膜蒼白・元気消失・運動不耐性・頻脈・呼吸促迫(重度では失神・心雑音)。出血傾向: 紫斑・粘膜出血・血尿・血便・関節血腫(凝固障害・血小板異常)。血栓症: 急性肢痛・麻痺(FATE等)・呼吸困難(肺塞栓)。白血球減少: 発熱・敗血症・反復性感染。溶血性貧血: 黄疸・暗色尿・脾腫。

原因

外傷性(最多:頭部打撃・交通事故)。非外傷性:凝固障害(ITP・殺鼠剤中毒・DIC・vWD)、眼内腫瘍(メラノーマ・リンパ腫)、全身性高血圧、網膜剥離、ぶどう膜炎。片眼性の自然発生は眼内腫瘍の除外が必要。

病態生理

前房内への出血→虹彩・毛様体の血管破綻→前房内の血液貯留→(1)視軸の遮断→視力低下、(2)血液成分による房水流出路の閉塞→二次性緑内障、(3)後癒着の形成。外傷性が最多だが、自然発生例は重大な全身疾患(凝固障害・眼内腫瘍)のサインとして精査が必須。

診断

細隙灯顕微鏡検査で前房内の出血を確認。重症度をグレーディング(I: <1/3、II: 1/3-1/2、III: >1/2、IV: 全量)。眼圧測定で続発性緑内障を除外。超音波検査で眼内腫瘍・硝子体出血・網膜剥離を評価。CBC/凝固検査(PT、APTT、血小板数)で出血素因を評価。血圧測定で全身性高血圧を除外。原因:外傷、凝固障害、高血圧、眼内腫瘍、ぶどう膜炎、網膜剥離。原因治療と安静。

治療

【犬における前房出血】 前房出血は犬における正確な臨床評価(病歴、身体検査、CBC・生化学、画像)から治療方針を決定。 基礎疾患の特定→特異的治療+支持療法の組み合わせが原則。 経過モニタリング: 主訴の改善、検査値の変化、QOLを2-4週毎に再評価。 複雑症例は犬専門医(ACZMまたはAVMAエキゾチック分科会等)に紹介を検討。 支持療法: 輸液(晶質液 60-80 mL/kg/日 IV、ショック時 90 mL/kg初期ボーラス)、酸素化、栄養管理、疼痛管理。メサドン 0.1-0.5 mg/kg IM/IV q4-6h またはブプレノルフィン 0.01-0.02 mg/kg IM q6-8h。 【鑑別と経過観察】類似症候を呈する疾患の除外と、治療4-8週後の再評価が予後改善の鍵。重症度・併発症によっては犬の専門医紹介を考慮する。

予防

外傷の予防。凝固障害の管理。安静・眼圧モニタリング・アトロピン点眼(後癒着予防)で管理。眼内腫瘍が疑われる場合は眼球エコー→眼球摘出を検討。

予後

犬における前房出血の予後は早期止血と輸血で生存可能。

関連する薬品

💊 ブプレノルフィン 💊 プレドニゾロン 💊 メサドン 💊 アトロピン

※ 薬品名をクリックすると詳細な投与量・副作用情報を確認できます

腫瘍の他の疾患(犬)

犬の全疾患を見る →

VetDictで犬の鑑別診断を行う

症状チェッカーを使う

関連する疾患

ぶどう膜炎 (共通4症状) 前方水晶体脱臼 (共通4症状) ぶどう膜皮膚症候群(VKH様症候群) (共通4症状) 原発性緑内障(隅角形成異常関連) (共通4症状) 難治性角膜潰瘍(SCCED) (共通4症状) 結膜炎 (共通3症状) 緑内障 (共通3症状) 乾性角結膜炎(ドライアイ) (共通3症状)
📋 犬の疾患一覧を見る →
※ 本ページの情報は獣医学的参考資料であり、診断・治療の代替ではありません。実際の診療は必ず獣医師にご相談ください。
VetDict は獣医師(DVM)が開発した臨床支援ツールです。