副甲状腺機能低下症
概要
PTH分泌低下→低カルシウム血症(iCa<1.0 mmol/L)→神経筋興奮性亢進→筋線維束攣縮・テタニー・全身性けいれん。特発性免疫介在性(犬では最多)と甲状腺摘出後医原性に分類。
主な症状
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臨床徴候
犬における副甲状腺機能低下症の臨床徴候はホルモン異常または代謝障害の種類により特異的パターンを示す。糖尿病: 多飲多尿・多食・体重減少。甲状腺機能亢進: 体重減少・多食・多動・心拍数上昇。クッシング症候群: 腹部膨満・脱毛・多飲多尿・薄い皮膚。アジソン病: 元気消失・嘔吐・下痢・電解質異常。低血糖: 振戦・痙攣・意識低下。早期は無症候性に進行することが多く、定期的内分泌スクリーニングが早期発見の鍵。
原因
特発性免疫介在性リンパ球性副甲状腺炎(最多)、医原性(甲状腺摘出後・副甲状腺手術後)、先天性、低マグネシウム血症(Mg不足でPTH分泌・作用が低下)。
病態生理
PTH分泌低下→腸管Ca吸収低下+腎Ca再吸収低下+骨吸収低下→低カルシウム血症(iCa<1.0mmol/L)→神経筋興奮性亢進→筋線維束攣縮・テタニー・全身性けいれん。低Ca血症は心臓の電気的活動にも影響→QT延長→不整脈。同時に高リン血症(腎からのP排泄低下)。
診断
血液検査で低カルシウム血症(総Ca<7.0 mg/dL、イオン化Ca低下)と高リン血症を確認。血清PTH濃度低値~測定感度以下(低Ca+低PTH=原発性副甲状腺機能低下症の確定)。25(OH)ビタミンD・マグネシウム値を評価。心電図でQT延長、徐脈を確認。振戦、テタニー、痙攣の臨床症状。甲状腺術後の医原性、免疫介在性破壊が主因。
治療
急性低Ca血症(緊急):グルコン酸Ca 10% 0.5-1 mL/kg IVゆっくり(10-20分、ECGモニター下:徐脈/QT短縮で中止)。維持CRI:グルコン酸Ca 10% 2-3 mL/kg/day(NaClに希釈、LRS禁忌:Ca-乳酸反応)。カルシトリオール(1,25(OH)2D3)20-30 ng/kg PO q24h(最速効;開始2-3日で効果)。炭酸カルシウム25-50 mg/kg/day PO。定期モニタリング:血清Ca q2-4週→安定後q3-6ヶ月。低P食。低Mg合併時はMg補充。
予防
甲状腺摘出時の副甲状腺同定・温存。誤切除時は胸骨舌骨筋への副甲状腺自家移植。
予後
生涯管理で予後は良好。治療中断で再発あり。医原性:50%が2-4ヶ月以内に副甲状腺機能を回復(一時的低下)。
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