皮膚筋炎
概要
コリーとシェットランドシープドッグに見られる皮膚と筋肉の遺伝性炎症性疾患です。
主な症状
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臨床徴候
犬における皮膚筋炎の臨床徴候は罹患部位と病態の急性/慢性により異なる。急性外傷: 跛行(非荷重)・腫脹・疼痛・変形(骨折・脱臼)。慢性変性: 起立困難・運動不耐性・跛行(運動後悪化・寒冷で悪化)・関節腫脹(OA等)。発達性異常: 子犬期から軽度跛行(股関節・肘関節形成不全)。感染性: 発熱を伴う関節腫脹・疼痛(敗血症性関節炎)。
原因
犬における皮膚筋炎の原因は外傷性(骨折・脱臼・靭帯損傷)、変性性(変形性関節症)、発達異常(股関節形成不全・肘関節形成不全・膝蓋骨脱臼)、免疫介在性(多発性関節炎)、感染性(骨髄炎・敗血症性関節炎)、栄養性(代謝性骨疾患・栄養性二次性副甲状腺機能亢進症)、腫瘍性(骨肉腫)、遺伝性(軟骨異形成)に分類される。肥満、過剰運動、不適切な栄養管理(成長期の過剰カロリー・カルシウム)が変性・発達性疾患のリスクを増大させる。
病態生理
犬における皮膚筋炎の病態生理は原因病態と進行段階により多面的に展開する。初期の局所組織傷害・機能異常から全身的代償機構の動員、最終的な臓器機能不全への進展という共通の流れがある。病態の進行は原因と宿主の免疫・代謝状態に依存する。早期発見・早期治療が予後改善の鍵。
診断
皮膚生検で表皮基底層の液状変性(interface dermatitis)と真皮筋層の炎症性ミオパチーを確認。EMG(筋電図)で異常自発電位を検出。CK値は正常~軽度上昇。臨床症状:顔面(眼周囲・口周囲・耳介)の脱毛・痂皮・紅斑と咀嚼筋萎縮。シェットランド・シープドッグ、コリーに好発。DMS遺伝子検査(PAN2遺伝子座)で感受性評価。
治療
ペントキシフィリン(10-15 mg/kg PO q8h — 第一選択の補助薬)。ビタミンE(400 IU/日)。重症:プレドニゾロン(1-2 mg/kg PO q24h→漸減)。アザチオプリンまたはMMF不応例に。日光暴露回避。二次感染管理。皮膚+筋生検で確定。好発:シェットランドシープドッグ、コリー、ボーセロン。自己限定性の場合もあるが生涯管理が必要な例も。
予防
犬における皮膚筋炎の予防は適正体重・適切な栄養・適度な運動が3本柱。発達性疾患(HD・ED・OCD・FCP)予防: 大型犬の成長期過剰カロリー回避、適切なカルシウム/リン比、過度な運動・階段使用回避。OA予防: 適正体重維持、関節サプリメント(グルコサミン・コンドロイチン・MSM)、低衝撃運動。骨折・外傷予防: 安全な飼育環境、リード散歩、滑床対策。代謝性骨疾患予防: 適切な栄養とUV-B(爬虫類・若齢動物)。
予後
犬における皮膚筋炎の予後は罹患部位・損傷の重症度と治療法により異なる。早期診断と病態に応じた適切な治療・モニタリングにより多くの症例で良好な経過が期待できるが、進行例・合併症を伴う例では予後が悪化しうる。
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