頸部脊椎脊髄症
概要
頸部脊髄の圧迫により不安定な歩行を引き起こす大型犬の疾患です。
主な症状
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臨床徴候
犬における頸部脊椎脊髄症の臨床徴候は罹患部位(前脳・脳幹・小脳・脊髄・末梢神経)により局在化所見を示す。前脳: 発作・行動変化・盲目・周徊・運動失調。脳幹: 脳神経障害・運動失調・意識障害。小脳: 企図振戦・低測定運動失調・広基歩行。脊髄: 四肢麻痺/対麻痺・排尿障害・反射異常(病変高位で異なる)。末梢神経: 筋萎縮・反射低下・遠位部優位の弛緩性麻痺。
原因
椎間板関連型:ドーベルマン(C5-C7、中高齢犬)。骨関連型:グレートデーン(C3-C5、若齢犬)。多部位病変が多い。
病態生理
頸椎の椎間板突出(椎間板関連型:ドーベルマン)または骨性狭窄(骨関連型:グレートデーン)→頸部脊髄の腹側圧迫→後肢の運動失調(wobbling gait)+前肢の短歩様歩行。MRIで確定診断。
診断
MRIで頸椎の脊柱管狭窄・脊髄圧迫を確認。椎間板突出/骨性狭窄の鑑別。頸部X線で椎体の変形・椎間板腔の狭小化。ストレスビュー(屈曲/伸展)で動的圧迫を評価。脊髄造影+CT myelographyで圧迫の程度を三次元評価。CSF正常。ドーベルマン(椎間板型: C5-C7)、グレート・デーン(骨関節型: C3-C5)。頸部疼痛+進行性後肢不全麻痺。
治療
保存療法(軽度):運動制限6-8週、プレドニゾロン(0.5-1 mg/kg PO q24h漸減)、ガバペンチン(5-10 mg/kg PO q8h 神経障害性疼痛)。ハーネス使用(頸部への負荷軽減のため首輪禁止)。外科治療(重度/進行性):腹側スロット術(ventral slot)、椎間板スペーサー/fusion、背側椎弓切除術。術式は圧迫部位・タイプにより選択。ドーベルマン型(椎間板突出型):腹側スロットが標準。グレートデーン型(骨性圧迫型):背側減圧+固定。リハビリ:水中トレッドミル、固有受容覚訓練。予後:保存療法で50%改善、外科で70-80%改善だが隣接椎間の「ドミノ病変」リスク。参考文献: da Costa RC et al. Vet Surg 2008; De Decker S et al. JVIM 2012.
予防
確実な予防法はない。内科管理(ステロイド・運動制限)→改善しない場合はventral slot手術。
予後
犬における頸部脊椎脊髄症の予後は神経学的重症度により異なり、深部痛覚が温存されていれば外科的予後良好、消失例は予後不良。
関連する薬品
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