小脳変性症
概要
小脳神経細胞の早期変性で、特定犬種に進行性の運動失調と企図振戦を引き起こします。
主な症状
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原因
犬における小脳変性症の原因は多岐にわたり、感染性(脳炎・髄膜炎)、免疫介在性、変性性、腫瘍性、外傷性、血管性、代謝性、毒性、遺伝性、特発性(特発性てんかん)に分類される。品種特異的好発性(コリーのCDS、ボーダーコリーのストーム不安、特発性てんかんの素因犬種)も重要な背景因子。急性発症は外傷・血管障害・中毒を、慢性進行性は変性・腫瘍・代謝性を、再発性発作は特発性てんかんを示唆する。
病態生理
小脳変性症は正常に形成された小脳ニューロンの早期プログラム細胞死により進行性小脳障害を呈する遺伝性変性疾患。犬種により発症年齢が異なり、ゴードンセッター(6-12ヶ月)、オーストラリアンケルピー(6-12週)、スタッフォードシャーブルテリア(3-5歳)等。企図振戦・過大測量性歩行・広基底姿勢・眼振が特徴。MRIで小脳萎縮を確認。有効な治療法はなく緩徐〜中等度に進行。DNA検査で犬種別に遺伝子診断可能。
治療
根治療法なし。遺伝性進行性小脳変性(cerebellar cortical degeneration/abiotrophy)。支持療法が中心:環境安全管理(滑り止めマット、階段ゲート、角の保護)、栄養管理、ストレス軽減。運動失調の進行に応じた環境調整。軽度例はハーネス補助で数年のQOL維持可能。重度の運動失調・転倒が頻回になった時点で安楽死を検討。予後は犬種/変異により大きく異なる(発症年齢が若いほど進行が速い傾向)。好発:オーストラリアンケルピー、スタッフォードシャーブルテリア、フィニッシュハウンド、ゴードンセッター。遺伝子検査(該当犬種)で繁殖管理・キャリア除外。Ref: Urkasemsin & Bhatt 2014, Coates & O'Brien 2004.
予防
犬における小脳変性症の予防は原因病態によって異なる。感染性脳炎: 適切なワクチネーション(特に狂犬病・ジステンパー・FIP予防)と媒介動物制御。特発性てんかん: 遺伝性素因品種の繁殖管理。認知機能不全症候群: 知的刺激の提供、適度な運動、抗酸化サプリメント、SAMe等の補完療法。外傷性脳脊髄損傷: 交通事故・落下事故予防、適切な飼育環境。中毒予防: 環境管理。
予後
犬における小脳変性症の予後は病因と神経学的重症度(特に深部痛覚の有無)により異なる。早期診断と病態に応じた適切な治療・モニタリングにより多くの症例で良好な経過が期待できるが、進行例・合併症を伴う例では予後が悪化しうる。
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