副腎腫瘍
概要
クッシング症候群または褐色細胞腫の症状を引き起こす副腎の良性または悪性腫瘍です。
主な症状
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臨床徴候
犬における副腎腫瘍の臨床徴候は罹患臓器と腫瘍の種類により多様。一般的所見: 進行性の腫瘤形成・体重減少・食欲不振・元気消失・貧血。体表腫瘤では触知可能な腫脹・疼痛を、内臓腫瘍では腹部膨満・嘔吐・下痢・呼吸困難・リンパ節腫大などの非特異的症状を呈する。傍腫瘍症候群として高カルシウム血症(リンパ腫・肛門周囲腺癌)や低血糖(インスリノーマ)を合併することがある。
原因
原因不明。中高齢犬(平均10〜11歳)。特定の犬種好発は不明確。クッシング症候群の約15〜20%が副腎腫瘍性(残りは下垂体性PDH)。エコーで片側副腎腫大+対側副腎萎縮が典型的。
病態生理
副腎皮質腫瘍(腺腫/腺癌)→コルチゾール自律分泌→副腎性クッシング症候群(多飲多尿・腹部膨満・脱毛・筋萎縮)。副腎髄質腫瘍(褐色細胞腫)→カテコラミン過剰→発作性高血圧。後大静脈への浸潤(腺癌・褐色細胞腫)→血栓塞栓症。約50%が悪性。
診断
腹部超音波で副腎腫大(長径>2 cm/犬の体格依存)を確認。対側副腎の萎縮で機能性を示唆。ACTH刺激試験/LDDSTでクッシング症候群を精査。UCCRスクリーニング。CT/MRIで腫瘍サイズ・後大静脈浸潤(腫瘍血栓)・肺転移を評価。血圧測定で高血圧(褐色細胞腫を鑑別)。尿中カテコールアミン/メタネフリン(褐色細胞腫)。副腎摘出術。
治療
【犬における副腎腫瘍】 副腎腫瘍は腫瘍の組織学的型・グレード・局在・転移有無で治療方針が大きく変わる。確定診断は針生検またはincisional biopsyで取得し、TNM分類でステージングを完了。 外科的完全切除が可能なら広範マージン外科的切除を第一選択(推奨マージン2-3cm、攻撃的肉腫・MCT高グレードは3-5cm、種・部位・組織型で調整)。 切除不能例・残存例には化学療法(プロトコルは腫瘍型別、リンパ腫はCHOP、肥満細胞腫はビンブラスチン+プレドニゾロン等)または緩和的放射線療法。 オーナーの治療希望・予算・犬のQOLを総合判断し、緩和ケア選択肢も提示する。 支持療法: 輸液(晶質液 60-80 mL/kg/日 IV、ショック時 90 mL/kg初期ボーラス)、酸素化、栄養管理、疼痛管理。メサドン 0.1-0.5 mg/kg IM/IV q4-6h またはブプレノルフィン 0.01-0.02 mg/kg IM q6-8h。 【鑑別と経過観察】類似症候を呈する疾患の除外と、治療4-8週後の再評価が予後改善の鍵。重症度・併発症によっては犬の専門医紹介を考慮する。
予防
確実な予防法はない。エコーで副腎腫瘤を発見した場合、機能評価(LDDST・ACTH刺激・尿中カテコラミン)→手術適応の判断。副腎摘出術が根治的。術前のフェノキシベンザミン投与(褐色細胞腫の場合)。
予後
犬における副腎腫瘍の予後は組織型・悪性度・臨床ステージ・転移の有無・治療反応性により大きく異なる。確定診断(細胞診・病理組織検査)と病期診断(画像・所属リンパ節評価)に基づき、外科・化学療法・放射線療法を組み合わせた治療方針を決定する。早期診断・早期介入が予後改善の鍵となる。
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