← トップへ戻る
犬 (Dog) 内分泌 軽度

先端巨大症

Acromegaly (Growth Hormone Excess) / 先端巨大症

概要

成長ホルモンの過剰産生により体組織の肥大、インスリン抵抗性、臓器機能障害を引き起こします。

主な症状

※ 症状をクリックすると、その症状を示す犬の他の疾患を確認できます

臨床徴候

犬における先端巨大症の臨床徴候はホルモン異常または代謝障害の種類により特異的パターンを示す。糖尿病: 多飲多尿・多食・体重減少。甲状腺機能亢進: 体重減少・多食・多動・心拍数上昇。クッシング症候群: 腹部膨満・脱毛・多飲多尿・薄い皮膚。アジソン病: 元気消失・嘔吐・下痢・電解質異常。低血糖: 振戦・痙攣・意識低下。早期は無症候性に進行することが多く、定期的内分泌スクリーニングが早期発見の鍵。

原因

犬:外因性プロゲステロン投与(最多)、未避妊雌犬の発情後期プロゲステロン上昇による乳腺GH産生。下垂体腺腫は犬では稀(猫では最多の原因)。避妊手術またはプロゲステロン中止で改善することが多い。

病態生理

成長ホルモン(GH)の自律的過剰産生→IGF-1の上昇→軟部組織の肥大(顔面・四肢・舌)・骨格の過成長(下顎突出)・関節肥厚。GHのインスリン拮抗作用→インスリン抵抗性→糖尿病。犬では外因性プロゲステロン投与や発情周期のプロゲステロンが乳腺GH産生を誘導(猫と異なり下垂体腺腫は稀)。

診断

血清IGF-1(インスリン様成長因子)上昇が最も信頼性の高い指標。血清GH上昇。頭部MRI/CTで下垂体腫大・腫瘍を確認。血糖値上昇・インスリン抵抗性(糖尿病合併)。身体検査で顔面・四肢の軟部組織肥大、下顎突出、歯間離開を確認。未避妊雌ではプロゲステロン誘導性GH過剰を鑑別(OHE後に改善)。犬では稀。

治療

【犬における先端巨大症】 先端巨大症は犬における正確な臨床評価(病歴、身体検査、CBC・生化学、画像)から治療方針を決定。 基礎疾患の特定→特異的治療+支持療法の組み合わせが原則。 経過モニタリング: 主訴の改善、検査値の変化、QOLを2-4週毎に再評価。 複雑症例は犬専門医(ACZMまたはAVMAエキゾチック分科会等)に紹介を検討。 支持療法: 輸液(晶質液 60-80 mL/kg/日 IV、ショック時 90 mL/kg初期ボーラス)、酸素化、栄養管理、疼痛管理。メサドン 0.1-0.5 mg/kg IM/IV q4-6h またはブプレノルフィン 0.01-0.02 mg/kg IM q6-8h。 【鑑別と経過観察】類似症候を呈する疾患の除外と、治療4-8週後の再評価が予後改善の鍵。重症度・併発症によっては犬の専門医紹介を考慮する。

予防

プロゲステロン製剤の回避、未避妊雌犬でGH過剰が疑われる場合は避妊手術(プロゲステロン由来のGH産生を停止)。

予後

犬における先端巨大症の予後はホルモン・代謝異常の種類と是正の可否、合併症の有無により異なる。早期診断と病態に応じた適切な治療・モニタリングにより多くの症例で良好な経過が期待できるが、進行例・合併症を伴う例では予後が悪化しうる。

関連する薬品

💊 ブプレノルフィン 💊 メサドン

※ 薬品名をクリックすると詳細な投与量・副作用情報を確認できます

内分泌の他の疾患(犬)

犬の全疾患を見る →

VetDictで犬の鑑別診断を行う

症状チェッカーを使う

関連する疾患

クッシング症候群(副腎皮質機能亢進症) (共通4症状) 高アルドステロン症 (共通4症状) 医原性副腎皮質機能亢進症 (共通4症状) 副腎腫瘍 (共通4症状) 甲状腺機能低下症 (共通3症状) 先天性甲状腺機能低下症(クレチン症) (共通3症状) 糖尿病 (共通3症状) 慢性腎臓病(CKD) (共通3症状)
📋 犬の疾患一覧を見る →
※ 本ページの情報は獣医学的参考資料であり、診断・治療の代替ではありません。実際の診療は必ず獣医師にご相談ください。
VetDict は獣医師(DVM)が開発した臨床支援ツールです。