乳腺腫瘍
概要
猫の乳腺腫瘍は約85-90%が悪性で、早期避妊手術が予防に有効です。
主な症状
※ 症状をクリックすると、その症状を示す猫の他の疾患を確認できます
臨床徴候
猫における乳腺腫瘍の臨床徴候は罹患臓器と腫瘍の種類により多様。一般的所見: 進行性の腫瘤形成・体重減少・食欲不振・元気消失・貧血。体表腫瘤では触知可能な腫脹・疼痛を、内臓腫瘍では腹部膨満・嘔吐・下痢・呼吸困難・リンパ節腫大などの非特異的症状を呈する。傍腫瘍症候群として高カルシウム血症(リンパ腫・肛門周囲腺癌)や低血糖(インスリノーマ)を合併することがある。
原因
猫における乳腺腫瘍の原因: 猫の乳腺腫瘍は約85-90%が悪性で、早期避妊手術が予防に有効です。
病態生理
乳腺腫瘍は猫における腫瘍性疾患である。癌遺伝子、腫瘍抑制遺伝子、DNA修復機構における遺伝子変異の蓄積により腫瘍性形質転換が生じる。制御不能な細胞増殖により腫瘍が形成され、局所組織への浸潤・破壊の可能性がある。悪性腫瘍はリンパ行性または血行性に転移しうる。高カルシウム血症、悪液質、免疫調節障害などの腫瘍随伴症候群が原発腫瘍に伴い、罹患率に寄与することがある。
診断
猫乳腺腫瘍の診断は乳腺の触診で腫瘤を検出し、FNA細胞診で疑い、切除生検で確定。猫の乳腺腫瘍は85-90%が悪性(腺癌が最多)。TNMステージング:胸部X線3方向(肺転移)、腹部超音波(腹腔内転移、鼠径リンパ節)。腫瘤のサイズが予後因子(<2cm: 中央生存3年、2-3cm: 15.5ヶ月、>3cm: 6ヶ月)。HER2発現の評価。避妊手術歴の確認(未避妊で7倍リスク増加)。鑑別:乳腺過形成(若齢猫)、線維腺腫様変化(FAS)、脂肪腫。両側乳腺全切除が推奨。ドキソルビシン系化学療法。
治療
両側根治的乳腺摘出術(連鎖切除)が推奨。手術時にOHE実施。悪性腫瘍にはドキソルビシン25 mg/m2 IV 3週毎の補助化学療法。胸部X線+腹部エコーでステージング。猫では90%が悪性。
PRPR・自社製品(補助療法オプション)
予防
乳腺腫瘍の予防は限定的であるが、ホルモン依存性腫瘍軽減のための避妊・去勢手術、既知の発癌物質の回避、早期発見のための定期健診、適正体型の維持、該当する場合は遺伝的素因軽減のための責任ある繁殖が含まれる。
予後
乳腺腫瘍の予後: 腫瘍の種類、病期、転移の有無により予後は大きく異なる。早期発見・早期治療で予後改善。悪性腫瘍は一般的に予後要注意〜不良。
関連する薬品
※ 薬品名をクリックすると詳細な投与量・副作用情報を確認できます
腫瘍の他の疾患(猫)
VetDictで猫の鑑別診断を行う
症状チェッカーを使う関連する疾患
VetDict は獣医師(DVM)が開発した臨床支援ツールです。