猫下顎結合部骨折
概要
外傷による下顎結合部の離開で、落下による顔面損傷の猫に多く見られます。
主な症状
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臨床徴候
猫下顎結合部骨折の臨床徴候は罹患部位と病態の急性/慢性により異なる。急性外傷: 跛行(非荷重)・腫脹・疼痛・変形(骨折・脱臼)。慢性変性: 起立困難・運動不耐性・跛行(運動後悪化・寒冷で悪化)・関節腫脹(OA等)。発達性異常: 子犬期から軽度跛行(股関節・肘関節形成不全)。感染性: 発熱を伴う関節腫脹・疼痛(敗血症性関節炎)。
原因
猫における猫下顎結合部骨折の原因: 外傷による下顎結合部の離開で、落下による顔面損傷の猫に多く見られます。
病態生理
猫下顎結合部骨折は猫における外傷性・機械的疾患である。罹患組織の構造的耐性を超える外部機械的力により組織損傷が生じる。損傷は出血、浮腫、疼痛を伴う急性炎症カスケードを惹起する。重症度に応じて、血管供給の途絶による虚血、環境微生物による汚染、進行性の組織壊死が生じうる。治癒過程は止血、炎症、増殖、リモデリングの各段階を経る。
診断
猫下顎結合部骨折の診断は、口腔外傷歴(高所落下、交通事故)後の開口障害、流涎、採食困難から疑い、口腔内検査で下顎正中の不安定性と可動性を確認する。歯列の正中偏位と咬合異常を評価する。頭部X線(VD撮影)で下顎結合部の離開・骨折線を確認する。CT検査がより詳細な骨折パターンと歯根損傷の評価に有用である。歯科X線で切歯・犬歯の歯根骨折を併せて評価する。口腔内出血、歯肉裂傷、歯の脱臼・脱落を確認する。猫の高所落下症候群では硬口蓋裂開と下顎結合部骨折が高頻度で併発するため、必ず両方を評価する。全身検査で他の外傷(肺挫傷、四肢骨折)を精査する。
治療
猫骨折の治療: ① 緊急安定化—ABCDE評価、ショック対応、輸液 60-90 mL/kg/h IV ボーラス、外傷部位の出血止血。② 鎮痛: メサドン 0.1-0.3 mg/kg IM、ブプレノルフィン 0.02 mg/kg IM、安定後にメロキシカム 0.1-0.2 mg/kg PO/SC q24h(猫は短期)、ガバペンチン 10-20 mg/kg PO q8h。③ 画像評価(X線2方向、複雑なら CT)で骨折型分類(横骨折・斜骨折・らせん骨折・粉砕骨折)と判断。④ 固定法: 単純安定骨折→外固定(ギプス、副木)、複雑/長管骨→外科的固定(プレート・スクリュー、IM pin、external skeletal fixator)—専門医推奨。⑤ 開放骨折: 緊急の創洗浄・デブリードマン、培養感受性後の抗菌薬(cefazolin 22 mg/kg IV q8h、6週)。⑥ リハビリ: 受動的可動域訓練、水中歩行、CRI鎮痛で早期離床促進。⑦ 経過: X線4-6週毎、癒合確認まで活動制限。
予防
猫下顎結合部骨折の予防には安全で種に適した飼育環境の整備、鋭利物・危険物の除去、適切な取り扱い技術、他の動物との接触時の監視、温度管理、落下防止策が含まれる。
予後
猫下顎結合部骨折の予後: 骨折は適切な固定で予後良好。変性性疾患は進行性だが疼痛管理でQOL維持可能。若齢動物は回復力が高い。
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