猫無菌性髄膜炎
概要
細菌感染を伴わない髄膜の炎症で、発熱と頸部痛を引き起こします。
主な症状
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臨床徴候
猫無菌性髄膜炎の臨床徴候は罹患部位(前脳・脳幹・小脳・脊髄・末梢神経)により局在化所見を示す。前脳: 発作・行動変化・盲目・周徊・運動失調。脳幹: 脳神経障害・運動失調・意識障害。小脳: 企図振戦・低測定運動失調・広基歩行。脊髄: 四肢麻痺/対麻痺・排尿障害・反射異常(病変高位で異なる)。末梢神経: 筋萎縮・反射低下・遠位部優位の弛緩性麻痺。
原因
猫における猫無菌性髄膜炎の原因: 細菌感染を伴わない髄膜の炎症で、発熱と頸部痛を引き起こします。
病態生理
猫の無菌性髄膜炎は、感染性病原体を伴わない中枢神経系(髄膜)の炎症性疾患で、免疫介在性の機序が想定されている。猫ではfeline infectious peritonitis(FIP)の神経型との鑑別が最も重要で、FIP除外後に診断される。髄液検査では好中球性または混合細胞性の pleocytosis(細胞数増加)と蛋白上昇を示すが培養陰性。病態機序として自己免疫性の髄膜血管炎が推定されているが、確定的な原因は不明。若齢猫(<2歳)での報告が多い。臨床徴候は発熱、項部硬直、知覚過敏、沈鬱、食欲不振で、神経学的局所徴候は通常伴わない (Rand JS et al. JVIM 1994;8:90-94)。
診断
発熱・頸部硬直・疼痛過敏・元気消失を呈する。神経学的検査で髄膜刺激徴候を確認。CSF分析で蛋白上昇・細胞数増加(主にリンパ球・単球)、細菌培養陰性。MRIで髄膜造影増強を評価。CBC/CRP上昇を認めることが多い。FIP(コロナウイルス抗体価・PCR)、トキソプラズマ(IgM/IgG)、クリプトコッカス(抗原検査)など感染性髄膜炎を除外。リンパ腫による髄膜浸潤との鑑別も必要。
治療
猫における猫無菌性髄膜炎の治療には、可能であれば培養感受性試験に基づく標的抗菌薬療法が必要である。結果待ちの間は経験的広域抗菌薬を開始する。抗菌薬治療期間は感染の排除と耐性予防に十分な期間とする。膿瘍や壊死組織には外科的排膿またはデブリードマンが必要な場合がある。支持療法として輸液、鎮痛薬、抗炎症薬、栄養サポートを行う。
予防
猫無菌性髄膜炎の予防には適切な衛生管理・消毒、利用可能なワクチン接種、創傷の迅速な処置、ストレス軽減、適切な換気、感染動物の隔離が含まれる。
予後
猫無菌性髄膜炎の予後: 適切な抗菌薬療法で多くが治癒可能。慢性・深在性感染は長期治療が必要。敗血症は予後要注意。
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