臼歯棘状突起
概要
臼歯に鋭い棘状突起が形成され、舌や頬粘膜を傷つけ、痛みや食事困難を引き起こします。
主な症状
原因
ウサギにおける臼歯棘の原因: ウサギは常生歯(全歯が生涯伸び続ける)であり、不適切な食事(干し草不足・ペレット過多)による咀嚼不足で臼歯の正常な摩耗が妨げられ、鋭い棘状突起が形成される。遺伝的な顎骨形態異常(短頭種に多い)、カルシウム・ビタミンD代謝異常も素因となる。
病態生理
臼歯棘はウサギにおける歯科・口腔疾患である。ウサギは常生歯(全歯が生涯伸び続ける)であり、正常な咀嚼運動による摩耗が不足すると臼歯に鋭い棘状突起が形成される。棘は舌や頬粘膜を損傷し、潰瘍・膿瘍を引き起こす。疼痛により食欲低下・選択的摂食が生じ、繊維摂取量の減少が消化管うっ滞を二次的に誘発する。歯根の過伸長は鼻涙管圧迫による流涙や、上顎では眼窩周囲膿瘍の原因となる。
治療
ウサギにおける臼歯棘の治療には全身麻酔下での口腔内検査と歯科処置が必要である。棘状突起はダイヤモンドバーまたは歯科用ドリルで研磨・除去する(ニッパーによる切断は歯根破折のリスクがあり推奨されない)。根尖膿瘍には排膿・デブリードマンと全身性抗菌薬(エンロフロキサシン5-10 mg/kg PO q12h等)が必要。疼痛管理にメロキシカム(0.3-0.5 mg/kg PO q24h)。食事改善(チモシー干し草主体の高繊維食)で自然な歯の摩耗を促進し再発を予防する。常生歯のため定期的な歯科検査(3-6ヶ月毎)が不可欠。
予防
臼歯棘の予防には自然な歯の摩耗を促進する適切な咀嚼材と食事、定期的な歯科検査、発生しつつある不正咬合の早期矯正、種に適した食物繊維の提供が含まれる。
予後
臼歯棘の予後は適切な管理により一般的にやや良好〜良好である。早期診断された症例の多くは治療に良好に反応する。慢性例や再発例では長期管理が必要だが、概ね許容できるQOLを維持できる。定期的なモニタリングにより合併症の早期発見・対処が可能となる。
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