肺水腫
概要
ウサギにおける代謝性の呼吸器系疾患。肺水腫は適切な診断と治療管理が重要である。早期発見と適切な介入が予後改善の鍵となる。
主な症状
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臨床徴候
ウサギにおける肺水腫の臨床徴候は気道閉塞・換気障害の部位により異なる。上気道: いびき・吸気性ストライダー・運動不耐性・吸気性チアノーゼ。気管: 短く乾性の発作的咳(gander-honk)・ストライダー(気管虚脱)。下気道: 慢性咳・呼気性呼吸困難・喘鳴・換気不全(喘息・COPD様病態)。突発的悪化はストレス・運動・気温変化で誘発される。
原因
ウサギにおける代謝性の呼吸器系疾患。肺水腫は適切な診断と治療管理が重要である。早期発見と適切な介入が予後改善の鍵となる。
病態生理
肺水腫はウサギにおける循環器疾患である。心臓、大血管、または末梢血管系の構造的・機能的異常を伴う。心拍出量の低下、弁膜機能障害、調律異常により組織灌流が障害される。代償機構(神経ホルモン活性化、心室リモデリング)が一時的に機能を維持するが、進行性の心筋劣化を引き起こす。心不全、血栓塞栓症、突然死が進行期疾患の潜在的結果である。
診断
急性呼吸困難・チアノーゼ・湿性ラ音・開口呼吸から肺水腫を疑う。X線で肺野のびまん性陰影増強・気管支周囲のカフィング像を確認。超音波心臓検査で心不全の有無を評価。血液ガス分析で低酸素血症を確認。CBC/生化学で低蛋白血症・心筋マーカー・腎機能を評価。ウサギは絶対的経鼻呼吸動物であるため肺水腫による呼吸困難は極めて危険。原因鑑別(心原性 vs 非心原性:過剰輸液・毒素・感染・アナフィラキシー)が治療方針に不可欠。
治療
取扱い最小限 — 呼吸困難のウサギはストレスに極めて敏感で保定だけで死亡しうる。酸素療法が即座の最優先: フローバイ酸素または酸素室(FiO2 40-60%)。フロセミド1-4 mg/kg IV/IM q4-6h 急性期(作用発現: IV~5分、IM~30分)、安定後は1-2 mg/kg PO q12hに減量。心原性肺水腫の場合: ピモベンダン0.1-0.3 mg/kg PO q12h(陽性変力作用+血管拡張)、ベナゼプリル0.25-0.5 mg/kg PO q24h(ACE阻害薬で後負荷軽減)。医原性輸液過剰の場合: 即座にIV輸液速度を減量または中止。ブプレノルフィン0.03-0.05 mg/kg SC q8hで疼痛/不安管理(疼痛性頻呼吸にも呼吸数を減少させる)。呼吸抑制を起こす鎮静薬は回避。肺水腫のウサギに胸腔穿刺は行わない(胸水とは異なる)。呼吸数(正常30-60/min)、呼吸努力、可能であればSpO2をモニタリング。安定後に胸部X線 — 心原性(肺門周囲、心拡大)と非心原性(びまん性、心臓正常)を鑑別。心エコーで心機能評価。静かで涼しく換気の良い環境で管理。呼吸数が正常化してからシリンジ給餌 — 呼吸困難ウサギでは誤嚥リスクが高い。基礎原因の特定と治療: 心疾患、腎不全、毒素暴露(植物、化学物質)、アナフィラキシー。参考文献: Varga (2014), Lennox & Bauck (2012).
予防
ウサギにおける肺水腫の予防は環境因子の管理が中心。タバコの煙・室内塵・化学香料・粉塵への曝露回避。気管虚脱: 適正体重維持、ハーネス使用(首輪回避)、誘発因子(興奮・暑熱・脱水)の管理。喘息(猫): アレルゲン特定と回避、室内環境改善。
予後
肺水腫の予後: 早期発見と適切な治療で多くの疾患は予後良好。慢性疾患は定期的モニタリングと治療調整で長期管理可能。
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