ムコール症(接合菌症)
概要
接合菌による肉芽腫性疾患で、免疫不全鳥に発症。
主な症状
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臨床徴候
インコにおけるムコール症(接合菌症)の臨床徴候は感染部位と病原体特性により多様だが、共通所見として発熱・元気消失・食欲不振・体重減少が認められる。局所感染では発赤・腫脹・疼痛・排膿を、全身感染では脱水・敗血症・多臓器不全に進展しうる。 皮膚病変(円形脱毛・落屑・痂皮)、慢性鼻汁、または深在性真菌症では咳・体重減少・神経症状が見られる。幼若・高齢・免疫抑制状態は重症化リスクが高く、早期介入が予後改善に直結する。
原因
インコにおけるムコール症(接合菌症)の原因: 接合菌による肉芽腫性疾患で、免疫不全鳥に発症。
病態生理
ムコール症(接合菌症)はインコにおける真菌感染症である。真菌は胞子吸入、直接接種、または粘膜コロニー形成を通じて感染を確立する。菌糸または酵母形態が酵素分解と機械的圧力により組織に侵入し、肉芽腫性炎症反応を惹起する。免疫不全個体は特に感受性が高い。感染は局所にとどまるか、血行性に遠隔臓器へ播種される可能性がある。慢性感染は線維化、組織リモデリング、進行性臓器機能障害を引き起こしうる。
診断
病変部組織の直接鏡検(KOH処理)で幅広・無隔壁・直角分岐の菌糸を確認(Mucor・Rhizopusの形態的特徴)。真菌培養で菌種を同定。皮膚生検・臓器生検のGMS・PAS染色で組織侵襲性を確認。CBC で白血球変動を確認。生化学でAST・LDH上昇を評価。X線・CTで病変の範囲を描出。インコ類ではムコール症は免疫抑制個体で日和見感染として発症し、気嚢・肺・消化管に血管浸潤性の壊死性病変を引き起こす。アスペルギルス症との鑑別には組織培養が必要でありアムホテリシンBが第一選択薬となる。
治療
ムコール症はほとんどのアゾール系抗真菌薬に不応性 — イトラコナゾールとフルコナゾールはムコール目に対する効果が限定的。第一選択: アムホテリシンB 1.5 mg/kg IV/IT q24h 7-14日間(唯一確実に有効な全身性抗真菌薬)。ポサコナゾール5-10 mg/kg PO q12hはアムホテリシンB奏効後のステップダウン療法として使用可能。到達可能な肉芽腫性病変の外科的デブリードマンが不可欠 — 抗真菌薬単独では治癒困難。血管浸潤性により血栓症と組織梗塞を起こす; 早期の積極的介入が必須。支持療法: 保温(28-30°C)、呼吸器病変には酸素補給、経管栄養支持。アムホテリシンB投与中は腎機能をモニタリング(腎毒性)。素因: 免疫抑制、長期抗菌薬療法、栄養不良 — 基礎原因の対処。環境源: 腐敗有機物、湿った基質。予後: 要注意〜不良; 播種性疾患は極めて高い死亡率。参考文献: Abrams et al. 2001, Joseph 2000。
予防
ムコール症(接合菌症)の予防には適切な環境湿度・温度の維持、良好な換気、過密の回避、定期的な清掃・消毒、罹患個体の隔離、適切な栄養による免疫機能の維持が含まれる。
予後
ムコール症(接合菌症)の予後: 多くは治療に良好に反応。
関連する薬品
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