洞不全症候群
概要
心臓の電気伝導系障害により、異常な徐脈と失神を引き起こします。
主な症状
原因
洞結節の加齢性線維化(最多)。好発犬種:ミニチュアシュナウザー(最も報告が多い)、コッカースパニエル、ダックスフンド、ウエスティ。中高齢犬の雌に多い。甲状腺機能低下症の除外が必要。
病態生理
洞結節の機能障害→洞性徐脈・洞停止・洞房ブロック→補充調律が不十分な場合→Adams-Stokes発作(失神)。徐脈-頻脈症候群(brady-tachy syndrome):徐脈と上室性頻拍が交互に出現→心拍数の急激な変動→失神。ホルター心電図で診断(断続的な徐脈/長い休止を記録)。
治療
無症状:モニタリングのみ。症候性(失神、虚脱):ペースメーカー植込み(transvenous pacemaker — VVI/VVIR)が唯一の根治的治療。一時的管理:テオフィリン(10 mg/kg PO q12h)、アトロピン応答テスト。テルブタリン(0.2 mg/kg PO q8-12h)。ジゴキシンは禁忌(徐脈悪化)。好発:ミニチュアシュナウザー、ウェスティ、コッカースパニエル。ホルターで徐脈/頻脈の交代(bradycardia-tachycardia syndrome)を確認。
予防
確実な予防法はない。症候性(失神を伴う)はペースメーカー植込みが唯一の根治療法。無症候性は経過観察。アトロピン反応試験で洞結節の予備能を評価。
予後
予後は心疾患の種類、重症度分類(ACVIM分類)、心不全の進行度、治療への反応性に依存する。代償期の心疾患は適切な内科管理により長期の安定が期待できる。うっ血性心不全への移行後は内科治療により症状緩和と生存期間の延長が可能であるが、進行性の経過をたどる。不整脈の管理と定期的な心エコー評価による治療最適化が長期予後の改善に重要である。
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