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犬 (Dog) 眼科 軽度

瞬膜腺突出

Nictitans Gland Prolapse (Cherry Eye) / 瞬膜腺突出

概要

瞬膜腺の突出で目の隅に赤い腫瘤として現れます。

主な症状

目やに 目の充血 目を細める

原因

先天的な結合組織の脆弱性。好発犬種:コッカースパニエル、ブルドッグ、ビーグル、バセットハウンド、シャーペイ、ケーン・コルソ。通常2歳未満で発症。片側発症後、対側も罹患することが多い。

病態生理

瞬膜腺(第三眼瞼腺)を固定する結合組織の先天的脆弱性→腺組織の脱出→露出腺の乾燥・炎症・二次感染→粘液膿性分泌物。瞬膜腺は涙液の30〜40%を産生するため、切除するとKCS(ドライアイ)リスクが顕著に上昇。両側性の発症が多い。

治療

ポケット法(Morgan pocket technique)またはアンカリング法(anchoring/tacking technique)が標準的外科治療。切除は涙液産生能の喪失によるKCS(乾性角結膜炎)リスクが高いため非推奨。術後管理:抗菌+抗炎症点眼(オフロキサシン+プレドニゾロン酢酸エステル点眼 q6-8h × 10-14日)。エリザベスカラー2週間。再発率5-15%(ポケット法)。術後シルマーティア試験(STT)で涙液産生モニタリング。好発:アメリカンコッカースパニエル、イングリッシュブルドッグ、ビーグル、ニューファンドランド、シャーペイ。両側性が多い。Ref: Morgan et al. 1993, Mazzucchelli et al. 2012.

予防

確実な予防法はない。発症後は腺の切除ではなく外科的整復(Morgan pocket法・tucking法)を強く推奨。腺を切除するとKCSリスクが58%に上昇するとの報告あり。好発犬種の繁殖管理。

予後

予後は眼疾患の種類、重症度、治療開始の時期に大きく依存する。角膜潰瘍や結膜炎の多くは適切な局所療法により良好な治癒が期待できる。緑内障は早期発見と積極的な眼圧管理が視力温存に不可欠であり、治療の遅延は不可逆的な視神経障害に至る。白内障は外科手術により視力回復が期待できる。定期的な眼科検診が早期介入と予後改善の鍵となる。

関連する薬品

💊 プレドニゾロン

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