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犬 (Dog) 眼科 軽度

睫毛重生

Distichiasis / 睫毛重生

概要

異常な位置から余分な睫毛が生え、角膜を刺激する疾患です。

主な症状

目やに 目の充血 目を細める

原因

皮膚疾患の原因にはアレルギー(食物・環境・接触)、感染(細菌・真菌・寄生虫)、自己免疫疾患、内分泌異常、腫瘍、栄養欠乏、心因性因子が含まれる。皮膚バリア機能の破綻と二次感染の悪循環が慢性化の主因である。遺伝的素因がアトピー性皮膚炎の発症に強く関与しており、品種特異的な皮膚疾患も数多く報告されている。

病態生理

皮膚疾患の病態生理は表皮バリア機能の障害と免疫応答の異常に基づく。アトピー性皮膚炎ではフィラグリン変異等による表皮バリア破綻がアレルゲン侵入を容易にし、Th2偏向の免疫応答が炎症を持続させる。IgE架橋によるマスト細胞脱顆粒がヒスタミン放出と即時型反応を誘導する。細菌性皮膚炎では常在菌(特にStaphylococcus)の過増殖と毒素産生により膿疱・紅斑が形成される。

治療

症状がない場合は経過観察。角膜刺激・潰瘍がある場合は治療。電気分解(electrolysis):個別の睫毛毛包を破壊。再発率30-40%。凍結療法(cryotherapy):-25℃ダブルフリーズサイクル — 最も効果的、再発率10-15%。ただし色素脱失リスクあり。外科的切除(部分瞼板切除)は広範囲の場合。人工涙液で角膜保護。角膜潰瘍合併時は抗菌点眼(オフロキサシン q6h)併用。好発犬種:コッカースパニエル、シーズー、ゴールデン、ブルドッグ。参考文献: Gelatt KN. Veterinary Ophthalmology 6th ed 2021; Bedford PGC. JSAP 1988.

予防

適切なスキンケア(定期的なブラッシング・シャンプー療法)、ノミ・ダニの予防、アレルゲン曝露の最小化が基本的予防策である。バランスの取れた食事(必須脂肪酸・ビタミン含有)による皮膚バリア機能の維持が重要である。アトピー素因を持つ個体では環境アレルゲンの管理と早期の減感作療法が慢性化予防に有効である。皮膚の異常は早期に獣医師の診察を受けることが推奨される。

予後

予後は原疾患により大きく異なる。感染性皮膚疾患の多くは適切な治療により完治が期待できる。アレルギー性皮膚炎は完治困難であるが、アレルゲン回避・薬物療法・免疫療法の組み合わせにより良好な管理が可能である。自己免疫性皮膚疾患では長期の免疫抑制療法が必要となる。皮膚腫瘍の予後は組織学的な悪性度と完全切除の可否に依存する。

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